ビジネス

オフィスの置き菓子サービス好調 マナーを守れば業務活性化

オフィスの「置き菓子」サービス専用箱。商品は定期的に補充される

 仕事に疲れたとき、甘いものを口にすると心身ともにほっとするものだ。今、オフィスで菓子や軽食を取りたいという需要を取り込んだサービスが拡大している。江崎グリコが展開する「オフィスグリコ」やファミリーマートの「オフィスファミマ」などの、無人販売サービスだ。3時のおやつを皆で取る風景は今や昔。忙しいビジネスマンの小腹を、満たしたいときに満たすサービスが仕事の効率を上げているようだ。

 路上の野菜売りを参考に、2002年からサービスを始めたオフィスグリコ。菓子の専用ボックスにはクッキーをはじめ、グリコの菓子に限らない様々な菓子が入っており、商品はすべて1個100円だ。専用ボックスには、カエルが口をあけたどこか懐かしい集金箱が付いており、週一回程度、専任スタッフが商品の入れ替え、補充、代金の回収等の管理を行う。

 この“置き菓子”サービスは現在、都心部を中心に約12万台の専用ボックスを置くが、3年で3割増やし、約16万個にする計画だという。

 小腹がすいたときに食べたいのは菓子ばかりではない。オフィスグリコは最近、アイスクリームなどの冷蔵デザートやパンなどの提供も始めている。昨年からファミリーマートが始めたオフィスファミマも、類似のサービスだ。オフィスに専用の販売ケース設置し、菓子やカップ麺など約25種類の商品を置く。オイシックが資本・業務提携するベンチャー企業おかんは昨年、軽食の域を超えて、食事の提供を始めた。オフィス内に冷蔵庫を設置し、スタッフがサバのみそ煮や肉じゃがなどの和総菜、オイシックスの野菜などを定期的に補充する。

 オフィスグリコを5年以上利用しているという40代男性はこう語る。「お菓子って、オフィスを出てコンビニに行って、自分で買って食べるほど欲しいわけじゃないんですが、近くに置いてあれば食べるんですよ。だから女性だけでなく、男性の利用者も多いと思います。最近はタバコを吸わない人が増えていますから、一服する機会にもなるんじゃないでしょうか」

 ネオマーケティングの2013年の調査によると、「ビジネスタイムの中でおやつを食べる頻度」を問う質問に対し、毎日が約36%、週に4回が約12%、週3回が18%と、2日に1回はお菓子を食べる人が半数を超えている。また、厚生労働省の先月の発表によると、残業などの所定外労働時間は13ヶ月連続のプラスとなっており、労働時間の長さも、オフィスでの軽食需要を押し上げていると考えられる。

 リフレッシュなどに一役買っている置き菓子サービスだが、そうはいってもオフィスは仕事の場。「静かな時間に隣の人がお菓子をボリボリ食べていると、集中力が妨げられる」という声も聞かれ、自分の満足が他人のイライラを生じさせていないか注意が必要だ。そこで、元国際線CAで人財育成コンサルタントの美月あきこ氏に、オフィスの飲食におけるマナーを伺った。

「他人に迷惑をかけないことが大事だと思います。休憩室やパーティションで区切られた小部屋などがあるなら、お菓子や軽食はそういった場所で食べるのがいいですね。もしなくて、机の上で食べる場合は、周囲への気配りが必要です。置き菓子サービスなどでは考慮されていると思いますが、臭いが強いもの、大きな音が出るもの、ぽろぽろと食べこぼしが多いものなどは避けたほうがいいですね」

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン