近年、ヒュンダイやサムスンなどの大手企業が相次いで海外進出し、韓国国内で英語学習に対する需要が急速に高まった。すると留学費用が高額な米国などの先進国よりも、費用の安いフィリピンへの留学を望む学生が殺到するようになったのだ。
現地事情に詳しいアジア地域情報誌の編集長が、コピノ増加の実態を語る。
「マニラ市街のほか、米軍基地があったアンヘレス市なども多くの韓国人がいるが、特に英語学校が立ち並ぶセブ島では若い韓国人が集まっている。
彼らはこれまで韓国人男性が持たれていた男尊女卑のイメージとは違い、とてもソフトな印象です。そのため韓国人男性に近づきたがるフィリピン人女性が少なくないのは事実。
ただ、韓国人男性は避妊を拒む傾向があり、女性を妊娠させることが多々あります。しかも若さゆえに金銭的な余裕もない。フィリピン人女性が妊娠すると責任を取らずに帰国して、連絡を絶ってしまう韓国人男性が多いのです」(情報誌編集長)
セブ島に住むアイリーンさん(24)は友達の紹介で、フィリピンに英語留学にやってきた韓国人留学生と交際していた。交際3か月で妊娠したが、妊娠4か月の時に男性は「一時的に帰国するだけだ」と言い残し、韓国へ帰った。
「彼が一時帰国する際に出産費用として3万ペソ(約7万円)をもらいましたが、その1か月後には彼とは連絡が取れなくなりました」
その後、彼女は子供を無事出産するも、いまだ父親である男性からの連絡や経済的な援助は一切ないという。
取材協力■水谷竹秀(ノンフィクションライター)、永田貴聖(立命館大学専門研究員)
※SAPIO2014年8月号