イラク、イスラエル、ウクライナ……世界各地で燃え盛る戦火。日本では「集団的自衛権」の行使容認が閣議決定されたが、現実の戦争は机上で予め想定できるほど甘くはない。歴史に学び、真の戦争と平和を知るためにも今観るべき傑作映画を「戦地を知る人々」が選んだ。“ヒゲの隊長”こと佐藤正久参議院議員(イラク復興業務支援初代隊長)は『明治天皇と日露戦争』を選んだが、その理由についてはこう語る。
「昭和32年に公開された映画で、ロシアの南下政策や大日本帝国の御前会議などを詳報しており、日露戦争当時の我が国を取り巻く安全保障環境を深く理解できる。
スター俳優のアラカンこと嵐寛寿郎が明治天皇を演じたことも話題となった。その明治天皇が日露戦争中、『常に戦場の兵とともにありたい』と前線の兵士を慮り、衣替えもされず粗食に甘んじられるシーンに涙を禁じ得ない」
※SAPIO2014年9月号