荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
浅田真央(35才)や羽生結弦(31才)といった「国民的スター」が競技を引退し、かつての人気を失っていたフィギュアスケート。しかし、2026年2月のミラノ・コルティナ五輪を前に再び注目が集まり始めている。
その中心にいるのが坂本花織選手(25才)だ。世界選手権3連覇という日本人初の快挙を成し遂げ、前大会の北京五輪では銅メダルを獲得。本人は今回の五輪を区切りに現役引退する意向を明かしており、“集大成の舞台”としてトリノ五輪(2006年)の荒川静香さん(43才)以来の金メダルが期待されている。
スポーツジャーナリストの折山淑美さんは、坂本選手の強さをこう分析する。
「最大の武器はスピードと伸びのあるスケーティング、ジャンプの大きさです。演技に勢いがあり、観客を一気に引き込む力がある」
気になる“メダルの色”について、折山さんは「充分、金を狙える」とみている。
「ウクライナ侵攻の影響で国際大会から除外されていたロシアのアデリア・ペトロシャン選手(18才)が、個人資格の中立選手として参加する見込みです。彼女は4回転を跳べる選手なのですが、予選では跳んでいなかった。彼女が五輪で4回転ジャンプを入れてくるかどうかでメダルの色は左右されるものの、坂本選手はオリンピック3度目のベテラン。プレッシャーのかかる舞台でどう振る舞えばいいか理解している。本人も“銀以上”を目標にしています」(折山さん・以下同)
日本勢のメダル候補は坂本選手だけではない。
「ペアの『りくりゅう』(三浦璃来選手・24才と木原龍一選手・33才)は、今大会の優勝候補の筆頭で、安定感と完成度は群を抜いています。男子はアメリカのイリア・マリニン選手(21才)のレベルが高いものの、鍵山優真選手(22才)、佐藤駿選手(21才)が銀・銅で表彰台に並ぶ可能性は高い。団体戦はアメリカと接戦で、銀メダル以上を狙える位置にいます」
フィギュア界が盛り上がる中、浅田真央の動向が話題を呼んでいる。浅田は2017年の引退以降、解説者など含めて五輪とのかかわりを持っていない。しかし2025年4月、五輪に協賛する寝具メーカー「エアウィーヴ」の高岡本州会長兼社長が、同社のブランドアンバサダーを務める浅田にミラノ・コルティナ五輪の聖火ランナーのオファーを出したことが報じられた。実現すれば、2014年のソチ五輪以来の五輪“参加”になる。
再び世界の主役に返り咲く日本フィギュアに期待したい。
※女性セブン2026年1月8・15日号
