芸能

お手軽な不倫ドラマに深刻な家族ドラマ 時代を象徴している

 時代の写し鏡だと思えば、これらの作品の「落差」も理解しやすいかもしれない。ドラマウォッチを続ける、作家で五感生活研究所の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 お盆休みもあけて、残暑の日常が戻ってきました。今期の夏ドラマの話題の一つは「不倫」です。

『同級生~人は、三度、恋をする』(木曜夜9時TBS系)に、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(木曜夜10時フジ系)。木曜の夜は立て続けに不倫ドラマが2本、放送されて注目を集めています。

『同級生』は柴門ふみの原作。40歳を迎えた男女4人が中学の同窓会で再会し、互いの思いが再燃する。ヒロイン・あけひ演じる稲森いずみは、「キスして」と言ったとたん「冗談だよ」とごまかしたりする。妙に思わせぶり。甘えてモーションかけるブリっこ女。昔よく見かけたパターンです。ふと、20年前の柴門ふみ原作『東京ラブストーリー』を思い出します。

 そのあきひに惹かれ、翻弄されまくる健太(井浦新)が、またまたレトロ感満載の人。どこか時代とずれた、おとぼけキャラクター。と、見ている方がちょっと恥ずかしくなるチープ感たっぷり。「不倫」というテーマさえ描けば、もうそれで十分なのかも。実に作り込みが浅い、昼メロ的ドラマに仕上がっています。

 一方の『昼顔』も、負けず劣らず場当たり的な作り物感が満載です。夫とは別の男に恋する主婦「平日昼顔妻」がテーマ。パート主婦の紗和(上戸彩)はたまたま生物教師・北野裕一郎(斎藤工)に出会う。高校教師はいきなりしゃがんで穴を掘り昆虫観察。そのベタな姿に惚れた紗和。あっという間に二人は手を繋いで、昆虫獲りへ。森の中で紗和の方からキスを迫り…越えてはいけない一線を越えていく。

 もう一組登場する不倫カップルは、専業主婦・利佳子(吉瀬美智子)と画家・加藤(北村一輝)。二人の不倫を嗅ぎつけた夫(木下ほうか)は、タクシーで尾行。

 尾行。出会い系サイトで男を漁る美人妻。野性的で荒々しい画家。実にベタな展開です。随所に思いつきの軽さがあって、笑えてしまう。作り物の空虚感がむしろ開き直りにも見えてきて、いい感じ。

 妙な褒め方ですが、どちらのドラマも、お手軽感が魅力です。作り込まない、リアルを追究しない。「ああどうせウソだから」「もう展開はわかりきってるし」「その場その場で面白く見せればいい」というような。「そんなのある?」といういいかげん(良い加減)な設定を「あり」として楽しむ高等娯楽。絶妙な力の抜き具合。みんなが入れ込まない感じがいい。視聴者も制作側も、誰も深刻じゃない。一、二度見過ごしても話がすぐわかる。

トピックス

映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
日本初となる薬局で買える大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」
日本上陸の内臓脂肪減少薬「アライ」 脂肪分解酵素の働きを抑制、摂取した脂肪の約25%が体内に吸収されず、代わりに体内の脂肪を消費
週刊ポスト
専修大サッカー部を辞任していた源平監督(アフロスポーツ)
《「障害者かと思った」と暴言か》専修大サッカー部監督がパワハラ・経理不正疑惑で辞任していた 大学は「警察に相談している」と回答
NEWSポストセブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本製鉄によるUSスチールの買収計画
【日本製鉄のUSスチール買収問題】バイデンもトランプも否定的だが「選挙中の発言に一喜一憂すべきではない」元経産官僚が読み解く
NEWSポストセブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン