スティーブン・スピルバーグ製作総指揮、マイケル・ベイ監督による大ヒットシリーズの最新作『トランスフォーマー/ロストエイジ』(2014年8月日本公開)。

 この作品で配給会社のパラマウントは中国国営テレビ局CCTVの映画専門チャンネル「中国電影頻道」と提携し、中国国内での撮影、キャスティング、編集、宣伝などを行なっている。中国企業からも支援を受けており、事実上の「米中合作」だ。

 撮影は北京をはじめ西安などで行なわれ、背景に市内の公園や中国風建築をふんだんに取り入れている上、中国人俳優を起用するなど、「人件費の安い中国で撮影することで制作コストを下げ、制作費の一部を中国から出させる。おまけに完成した映画を巨大中国市場で売りまくる新たなハリウッド商法」(米大手紙映画担当記者)だ。

 中国の映画鑑賞人口は近年、ついに日本を抜いてアメリカに次ぐ世界2位となった。ハリウッド業界の財務管理などを独占する会計事務所アーンスト&ヤングの予測では、2020年までに中国はアメリカを超えると言われている。

『トランスフォーマー/ロストエイジ』の興行収入はアメリカの1億7500万ドルに対して中国は2億2300万ドル(公開後11日の時点)。すでにアメリカを上回っている。ハリウッドにとり中国は制作コストでも興行収入面でもMVP(モスト・バリアブル・プレーヤー)なのである。

※SAPIO2014年9月号

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