抗日連合会は2007年7月のアメリカ下院の慰安婦問題決議採択では中心的な役割を果たした。同決議案の主唱者のマイク・ホンダ下院議員(民主党)をカリフォルニア州会議員だったころから資金面でも全面支援し、思想的に指導して、日本非難のこの決議案をプッシュさせたのだ。

 最近でも韓国ロビーと協力して全米各地での慰安婦の像や碑の設置にもかかわってきた。2010年のニュージャージー州パリセイズパーク市での慰安婦碑の建設、2012年のニューヨーク州ウェストベリー市での同様の碑の建設など、抗日連合会はその名前を出して推進した。

 この7月15日に産経新聞が報じたサンフランシスコ市に抗日記念館が開設されるという計画でも抗日連合会が関与していることが判明した。最近では同連合会自身が表に出て、この種の活動を公表するようになったのだ。

 抗日連合会は中国政府に同情的な米国籍中国人の学者、法律家、実業家らを中核に運営されてきた。創設メンバーの一人、イグナシアス・ディン氏はとくに議会対策や法廷闘争、メディア戦略に長けている。カナダや西欧諸国にも支部を持ち、アメリカだけでも40近くの関連組織を傘下におくと公表している。

 同連合会は2005年春には日本の国連安保理常任理事国入りに反対する署名を4週間で4200万人分、全世界から集めたと豪語している。

 活動目的は「日本に戦争での残虐行為の謝罪と賠償をさせること」だとうたい、サンフランシスコ対日講和条約での戦争清算をまったく認めていない点など、まさに反日組織なのである。

※SAPIO2014年9月号

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