国際情報

中国反日活動の主役「抗日連合会」マイク・ホンダ議員を援助

 中国の反日工作は、何も日本が舞台とは限らない。むしろいま、彼らが仕掛ける工作の主戦場は、アメリカである。その実態について、産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏がレポートする。

 * * *
 アメリカでの中国系勢力による反日の動きがまた一段と活発になった。そのロビー工作とは日本の主に戦争がらみの「歴史問題」を利用して、現在の日本への非難や中傷を米側の政府や議会、メディアなどに広げるという活動である。

 その実態をみると──中国によるアメリカ国内での反日工作の実行機関には表の存在と裏の動きとがある。

 表では中国政府の公式代表である在米中国大使館が中心となる。中国政府は年来、対米ロビーといえば、米側の中国への政策や態度をよくすることに全力をあげてきたが、そのなかには日本への非難や誹謗、つまり反日の側面もある。

 近年、この反日の比重が大きくなってきた。

「日本は日清戦争を利用して尖閣諸島を中国から盗んだ」
「軍国主義者の安倍首相は戦後の国際体制の転覆を図っている」

 こんな日本糾弾のメッセージをワシントンの中国大使館の崔天凱大使や鄧洪波首席公使が米側の政府や議会を相手に発し続ける。大手米紙に寄稿論文を出す。目的は明らかに日米離反である。日本の印象を悪くして日米同盟を弱体化しようというわけだ。

 中国大使館はそのために米側の大手ロビー企業や法律事務所を雇い、反日キャンペーンの代行をも委託する。経費として年間数百万ドル単位の大金が払われる。

 中国の反日活動の裏の領域で主役となるのは「世界抗日戦争史実維護連合会」(以下、抗日連合会)という在米の中国系団体である。

 1994年に中国系米人の活動家たちによってカリフォルニアを本拠に設立されたが、当初から中国政府とのきずなが深く、その部分は長年、隠されてきた。この時期、中国では江沢民国家主席による愛国反日の教育が本格化し、日本では慰安婦問題での河野談話が出されていた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン