ライフ

飼い犬散歩用の伸縮リード 使い方を誤ると危険誘発する恐れ

 長さが調整できる伸縮リードで飼い犬の散歩をする人が増えているが、あのリードは危険だという指摘も多い。犬のしつけ教室・Can! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導する西川文二氏が、伸縮リードの開発目的を理解せずに使用するから危険なものになっていると解説する。

 * * *
 リール仕掛けになってて長さを調節できる伸縮リード。

 便利っちゃぁ便利だけど、アレ操作に慣れが必要。突進させたくないときや、一定の距離以上離したくないときには、ストッパーで止める。とっさにそれができないと、他人に危害を加える事もある。

 こんな話をするのも、教室の近くのS公園で先日、伸縮リードをつけた犬が子供に突進、噛んだっちゅう事故があったから。

 常にリードがたるまないよう扱えないと、飼い主が痛い目に遭うことも。離れた状態でストッパーをかけ、そのまま犬が戻ってくれば、リードは数メーター分たるんだままの状態となる。そこでストッパーを外すと、一気にシュルシュルと紐が収納される。リードは暴れる龍が如く。飼い主や犬が鞭うたれ、怪我を負う結果となる。

 そもそも、その元祖が産声をあげたのはドイツ。リード無しでのお散歩を目指して、子犬の時期からトレーニングをする。そんな文化の中で育まれた。呼べば来るから、本来はリードなんかなくてもいいんだけど、万が一のことを考えて、ってんで考案された。

 日本は違う。犬があっちゃこっちゃ行きたがって、引っ張る。いちいちつきあうのも大変。伸縮リードなら飼い主も楽だし、犬も喜ぶだろうって、使ってる。

 私めの教室で導入するのは、飼い主がマナーをある程度理解し、オイデやマテなどの基礎的なトレーニングが済んでから。それも、いきなり犬につけるのではない。まずは家族の誰かにリードの先端を持たせて急にダッシュしてもらったりして、ストッパーの掛け方などを人間相手に練習してもらう。

 冗談じゃない、カミさんにそんなこと頼んだ日にゃ……ですか? うーん、何かしらの交換条件を提示するしかないですかね。多少高くついても、安全のためですからね、安全の。

※週刊ポスト2014年9月5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
宮崎あおい
《主演・大泉洋を食った?》『ちょっとだけエスパー』で13年ぶり民放連ドラ出演の宮崎あおい、芸歴36年目のキャリアと40歳国民的女優の“今” 
NEWSポストセブン
悠仁さまが2026年1月2日に皇居で行われる「新年一般参賀」に出席される見通し(写真/JMPA)
悠仁さまが新年一般参賀にご出席の見通し、愛子さまと初めて並び立たれる場に 来春にはUAE大統領来日時の晩餐会で“外交デビュー”の可能性も、ご活躍の場は増すばかり
女性セブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情
(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
熱を帯びる「愛子天皇待望論」、オンライン署名は24才のお誕生日を節目に急増 過去に「愛子天皇は否定していない」と発言している高市早苗首相はどう動くのか 
女性セブン
「台湾有事」よりも先に「尖閣有事」が起きる可能性も(習近平氏/時事通信フォト)
《台湾有事より切迫》日中緊迫のなかで見逃せない「尖閣諸島」情勢 中国が台湾への軍事侵攻を考えるのであれば、「まず尖閣、そして南西諸島を制圧」の事態も視野
週刊ポスト