路線バスの旅への関心の高まりは、テレビ番組増加にも顕著にあらわれている。なかでも、太川陽介と蛭子能収が路線バスを乗り継いで目的地を目指す『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』は、不定期放送ながら視聴率も高く、DVD販売も好調だ。
「1980年代から『そこが知りたい』(TBS)という番組の名物企画で『各駅停車路線バスの旅』がありましたが、最近のようにいくつも番組がある状態ではありませんでした。でも、ここ数年は路線バスの旅であることを全面に押し出したものがいくつもあります。
『火曜サプライズ』(日本テレビ)では柳沢慎吾さんと京本政樹さんが都バスに乗って町歩きをしていましたし、イケメン俳優が全国の路線バスを乗り継いで旅をする『のんびりゆったり 路線バスの旅』(NHK)もあります。最近では、太川陽介さんと蛭子能収さんの路線バスの旅が有名ですね。興味が高まっているところにテレビから魅力を伝えられ、バス会社の努力で便利になった路線バスの旅に出かける人が増えていると思います」(前出・加藤さん)
これらのテレビ番組は出演者の新たな魅力を引き出し、とんでもなくわがままな蛭子さんたちをまとめて旅をする太川陽介は9月8日に初の著作『ルイルイ仕切り術 人生も会社も路線バスの旅も成功に導く40のツボ』(小学館)を発売するほどだ。ふらっと気軽に出かけられる路線バスの旅だが、天候や交通事情によって時間通りにいかないのがやはり悩みの種だ。だが、最近ではスマホやケータイを利用することで解消できる問題になった。
「路線やバス停、時刻表などネットでほとんど調べられるようになっています。運行状況もリアルタイムで分かるバス会社も多くなり、とても便利です。事前に時刻表や路線図とにらめっこしなくても、旅先で調べながら移動できます。もし無駄なく動けなくても、時間あわせに予想外の店に入ったりするのも楽しいものです。自分で車を運転するのも便利ですが、路線バスの旅なら昼からビールを飲めますよ(笑)」(前出・加藤さん)
路線バスの旅のように、ゆっくりと移動そのものも楽しレジャーが、今後ますます人気を集めそうだ。