打撃面でも同じで、現役時代は下位打線に入ることが多く、相手ピッチャーにできるだけ球数を投げさせることを意識していた森脇監督に比べ、長く中軸を打っていた秋山監督には細かい発想が感じられません。
これからの試合では、終盤で競り合う展開になると、お互いがローテーションを無視してでも次々にエース級を投入し、1点を争うゲームになります。バットを短く持ってファウルで粘り、繋いでいくバッティングのほうが、ホームランや長打に頼るより効果的になるが、秋山采配は1年を通してどうも大味です。
内川聖一、柳田悠岐と打率は高いのに、李の打点が少ないのは、つながりが悪いからに他ならない。並の投手が相手なら打線がつながるが、エース級相手には途端に打てなくなりますからね。ソフトバンクは大砲が多いと思われがちですが、チーム本塁打は76本。オリックスの94本より少ない。これが秋山監督の打ち勝つ野球の現実です。
この先3連戦3連敗だけは禁物。力でねじ伏せようとする野球は封印して、しつこく1点を奪う野球で勝ち抜くことを目指してもらいたいですね。
※週刊ポスト2014年9月19・26日号