ビジネス

Jリート市場 2020年の東京五輪に向け「ホテル特化型」盤石

 J-REIT(不動産投資信託、以下、Jリート)市場の状況は、好調に推移しているといえる。東証REIT指数は年初からも安定的に切り上げる形で展開し、6月には1600ポイントを超えてきた。Jリートの今後の動向と注目の投資法をアイビー総研の関大介氏が解説する。

 * * *
 今年4月からの8%への消費増税の影響は、今のところJリート市場には特段出ていない。2015年10月には10%に引き上げられる見通しだが、消費増税の影響を最も受けるとすれば、ショッピングモールなどに投資する「商業施設特化型」(商業系)である。商業系は銘柄によっては引き続き、警戒が必要だろう。

 一方、磐石なのがホテルに投資する「ホテル特化型」(ホテル系)。2020年の東京五輪に向けて一番恩恵を受けるのがホテル系であり、景気回復の影響もダイレクトに受けやすい。ホテル系で注目したいのはジャパン・ホテル・リート投資法人。もともと外資系で外国人比率が高い銘柄だが、6万円台で買えるため(9月現在)、個人投資家にも比較的手が出しやすい。

 景気がどちらに振れても底堅い「物流施設特化型」(物流系)も手堅くていいが、現在は利回りが低めの傾向がある。高めの利回りを狙いたいなら、オフィス系や住宅系を物色するほうが向いている。

 銘柄選びが難しいと思う人や、「少額でJリートに投資したい」「時期を分散して買いたい」という人は、東証REIT指数との連動を目指すETF(上場投資信託)に注目してはどうだろう。「東証REIT指数×10倍」の価格で買えるリートのETFも増えており、現在の相場なら1万円台半ばから購入ができる。それぞれ数か月に1回の決算があるため、3銘柄のETFをうまく組み合わせれば「毎月分配」にすることも可能だ。

 ETFに限らず、Jリートに投資しやすい環境は年々整ってきている。個別銘柄では投資口分割の実施で数万~20万円程度で買える銘柄も増えている。配当金というリターンを期待できるJリートは、少額投資非課税制度(NISA)の恩恵を受けやすい商品でもある。これから投資をしたい人も決して出遅れではなく、買いのタイミングをとらえて仕込んでいくといいだろう。

 Jリート市場は政府や日銀の政策の効果を受けやすい。もし景気がよくなければ、追加金融緩和として日銀がJリートの買い入れ枠を広げる可能性もあり、そうすると相場も上昇する。

 総じてみれば、東証REIT指数は年末まで1600ポイント前後で推移していくことが考えられる。途中、1700ポイントに達することも十分に考えられ、年内は1500~1750ポイントのレンジで動くと予想する。現在保有している人も、急落したからといって慌てて売る必要はないだろう。むしろ、一時的な急落は買いのチャンスといえる。

※マネーポスト2014年秋号

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン