あくまでマイナスシナリオではありますが、人気企業、憧れ企業に行けるのではないかと信じ、ずっと就活を続ける学生が増えるのではないか、と。ずっと面接で落ち、否定され続けるということが、今以上に続く可能性があるわけです。就活うつ、就活自殺が問題となる中、「だから卒業後に就活すればいいんだ」という論が出るわけですが、ますますこういう問題につながるのではないかと思うわけです。
また、大学を卒業してしまうが故に、自分の居場所がなくて苦労することも。さらに、就職するまでの生活費をどうするかという問題もあります。現状も、大学生活は以前ほど豊かではないということが問題となっております。これもマイナスシナリオではありますが、就活をするためにアルバイトをし、そのままフリーターで固定化するということも起こりそうです。
新卒での採用は可能性にかけて採用するわけで、未経験者を組織に招き入れているわけです。この部分が不透明な競争をうんでしまっているのですが、既卒者OKの世界観では、経験者に未経験者が駆逐され、なかなか就職できないということにもなり得ます。
このような理由から、私の記事に寄せられた「新卒ではなく、既卒もOKにしろ」という意見は、一見すると若者を救いそうで、現状の大学生の状況を考えるとむしろ改悪になるのではないかと思うわけです。まあ、このあたりはどんな世界観、社会システムを支持するかという話なのですけどね。
私は新卒一括採用が悪いわけではなく、その運用の仕方が悪いのだと考えています。過度に自由競争になりすぎた現状を捉え、リクナビなどの就職ナビによりすぎたものから、学校や公的機関、民間企業などによる斡旋機能を強化する、人と企業を人がつなぐモデルとの併存、キャリア教育だけでなく手に職をつける教育を一部の大学では行うなどの合わせ技が必要です。
皆さんはどう思いますか?