「当初、看護師は感染者の体液に接触していないと証言していた。それが、数日経ってから『防護服を脱ぐ時に手袋をしたままの手で自分の顔を触った』と話が変わった。保健当局が看護師の不注意だと責任をなすりつけているのではないかという見方もあり、正確な情報がわかっていない」(現地ジャーナリスト)
看護師が住んでいたマンションでは住民説明会が開かれ、参加した40代の現地女性は、「役所の人間はリスクがないといっているが、ふざけた話だ。エボラを風邪か何かだと思っているんだ」と声を荒らげるなどウイルスの感染力が想定よりも強いのではないかと現地はパニック状態が続いた。
米サイエンス誌に掲載されたレポートによれば、今回のエボラ流行の中ですでに300以上のウイルスの突然変異が発見されているという。レポートの共同執筆者の一人であるロバート・ゲイリー博士(チュレーン大学がんセンター微生物学・免疫学部教授)はこう語った。
「今のところ大きな変異は確認できていないが、監視し続けなくてはならない。ウイルスが体の外や表面でより長く生きるようになったり、もっと伝染しやすいウイルスに変わる可能性は排除できない。そしてその可能性は流行が長引くほど高くなる」
※週刊ポスト2014年11月7日号