スウェーデンでは、駅のホームに電車が入ってくると柱のデジタルサイネージの映像に映る女性の髪が風になびく広告が話題に。女性ファッション誌『CanCam』は、電車が入ってくると専属モデル・山本美月の髪とスカートが風にふんわりとなびくPRを行った。またエルメスは、映像の女性が息を吹きかけると隣にディスプレイされたスカーフがふわりとする仕掛けが話題を呼んだ。
「風景と連動する感動をデジタルサイネージは演出できることに気づいた時には、すごい!と思いました。電車内全体でそんな風にできたら、ディズニーランドのアトラクションみたいになりそうですね。例えば、京葉線に乗っていて、海が見えたら海とマッチするような動画になるなど、さまざまな車内風景を演出できると思います。
ニュースと天気予報の配信だけではつまらない。例えばソフトバンクのCMのようにみんなを面白がらせることができたら、商品のターゲット層以外の本来、商品に興味を持っていなかった人もキャッチできるはず。今までとは違う枠組みを作り手側は考えるべき」
しかし、良い面だけではなく「沿線格差」という弊害が起きる可能性があるとの分析も。
「ローカル線には現状、広告が全然入っていないし、都営の地下鉄の広告も丸ノ内線や銀座線など主要の路線に比べると安っぽさがあります。僕は田園都市線に乗った時の広告の高級さに腹が立ちますね(笑い)。まさに、沿線格差が生まれています。山手線でも区間によっては、駅格差が起きますし、西半分と東半分とでは流れる広告が全く違うなんてことになる可能性もあると思います。
しかし、スマホを使ってツイッターとも車内連動できたら面白いですし、駅ごとに謎を仕込んで謎解きをするイベント列車とか、乗客を巻き込む参加型のものがあったらまた乗りたくなりますよね。ポイントがたまるとか、この駅で見つけた○○を出したら10%引きとか、ドリンク1杯サービスとか…、人を動かすような仕掛けをたくさん作って、さびれがちな線でもあえて乗りたくなるような企画で盛り上げていってほしいですね」