国内

女子刑務所の厳しいルール 廊下では同室の者以外とは会話禁止

 山口県岩国市にある岩国刑務所は、女子刑務所として、中国地区の受刑者を中心に381名が収容されている。そのうち約半数を累犯(罪を犯し懲役刑を下され、その執行を終えてから、または免除が決まってから5年以内に再び懲役刑に処すべき罪を犯すこと)が占めている。多い者では15回を超え、無期懲役の受刑者も複数含まれている。

 女子刑務所が抱える慢性的な問題として、過剰収容が挙げられる。岩国の収容率は現在107%。わずか10畳の6人部屋(共同室)に7~8人収容されているのが実情だ。

 生活態度や作業への取り組みなどが評価されれば、優遇措置として「単独室」への移動もあるが、独居であるべき3畳の単独室にも2名収容される例があり、身動きもままならないほどに狭い。

 そうした窮屈な住環境ではストレスが溜まり、気持ちはすさむ。受刑者間のトラブルが起こりやすく、職員に暴言を吐き、反抗的な態度を取るなど荒れることもある。

 共犯者など、社会でつながりを持っていた受刑者同士を同室にしないことは鉄則だ。受刑者同士のトラブルを防ぐため日常生活の中では細かなルールが設けられている。

「受刑者に一切の上下関係を作らせないために、物のやりとりを禁じています。例えば、歯磨き粉を分けあうなども反則行為。持っている人間と持っていない人間との間に力関係が生じ、恐喝に発展することもありますから。すべての規則は、受刑者が『平等』であるために定められているのです」(処遇部門幹部職員)

 受刑者間の会話も厳しく制限される。運動場では同じ工場で働く者、廊下では同室の者以外との会話は厳禁。会釈や手を振るなどの行為も許されない。過去に噂話が広まってけんかが起きたケースや、職員に隠れて連絡を取り合おうと手紙をやりとりした例があったことから監視の目は厳しい。

※女性セブン2014年12月4日号

関連キーワード

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン