スポーツ

V9投手・関本四十四氏 ONの給料袋は分厚く机の上に立ってた

 読売ジャイアンツがV9の7年目の1971年、世間では「強すぎて面白くない」といわれるほど、川上巨人の戦力は盤石になっていた。その年に一軍に昇格し、円熟期を迎えていた巨人の強さに直に触れた右腕・関本四十四(しとし)氏が、そのベンチ裏を語る。

 関本氏は糸魚川商工(新潟)から1967年のドラフト10位で巨人に入団。プロ入りして丸3年間は一度も一軍登録されず、4年目にいきなり開幕一軍デビュー。その年に10勝11敗の成績で新人王に輝いた。関本氏が語る。

 * * *
 当時の給料は手渡しです。西銀座にあった球団事務所から、ヨボヨボのお爺さん職員が風呂敷包みに入れて後楽園球場まで運んでいました。今考えたらよく襲われなかったものです(笑い)。

 ロッカーに集められて茶封筒が1人1人に配られるので、他の人がどれくらいもらっているかがわかる。ONのは分厚くて机の上に立っていました。森(祇晶)さんや他のベテランがその半分くらいで、ホリ(堀内恒夫)さんがさらにその半分、僕ら若手はペラペラ。給料日は一番情けなかった(笑い)。でも遠征先での飲み食いはONが全部お金を出してくれたりしました。

 振り返ってみても、ONと一緒にグラウンドに立ち、ONをバックに投げられたのはかけがえのない宝です。4年目の春、一軍に上がって初めて王(貞治)さんとキャッチボールをやった時のことは今でも鮮明に覚えています。手が震えてちゃんと投げられなかったんです。

 長嶋(茂雄)さんに誘われて食事に行った時も、食べながら夢を見ているんじゃないかと、爪楊枝で自分の太股を突っついていたくらい。その思い出だけでも、孫子の代までの自慢ですよ。

※週刊ポスト2014年12月12日号

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン