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某大手牛丼チェーン バイト初日で1時間のサービス残業強いる

「ブラック企業」という言葉が広く認知されるようになって久しいが、果たしてその労働環境はどれだけ“ブラック”なのか。実態に迫るべく『女性セブン』の記者・A(30代)が、大手牛丼チェーンの店員として働いてみた。サービス残業が多いといわれるが、果たして本当か? その実態を以下にリポートする。

 * * *
 休憩後、2時間ほど勤務を続け、シフトの上がり時間となる18時が近づいてきた。

「Aさん、最後に『営報』を書いて上がってください」と店長格の30代と思しきクルーのTさん。

 営報(営業報告書)とは、売上金額を労働時間で割った「労時」などを記入するもの。この牛丼チェーンでは、「労時」を上げることが店舗運営の最大の目標となっている。店長格のTさんはたびたび「労時」を口にし、「効率よく」働くよう説いていた。効率よく働くこと自体は悪いことじゃない。しかし、その目標が高すぎると現場はつらいだろうと感じた。

 営報を書くためには、レジを締めたり、在庫をチェックしたりしなければならず、やるべき作業は多い。

「Aさん、お客さんが来ましたよ。ホールに出てください」(Tさん)

 客対応にも追われるため、作業は途切れ途切れになる。シフト時間内に終えることはほぼ不可能だ。しかも、シフト時間を過ぎた18時以降も営報のみに集中できるわけではない。客が来れば接客せざるをえなかった。結局、1時間のサービス残業をしてからの“解放”となった。

 初めはなかなかいい時給じゃないかと思ったが、1日働いただけで、体中が筋肉痛になり、次の日の出勤が憂鬱になる。

 結局、4日間働いて辞めることにした。多少慣れたのか、最終日にはサービス残業は20分で済んだ。

 電話でエリアの統括マネジャーに辞意を伝えると、あっさりと「あ、わかりました」と言われた。すぐ辞めてしまうのはよくあるケースなのだろう。

 Tさんやクルーのひとり、20代半ばのKさんのようにやりがいを感じているクルーが多いのは事実だ。しかし、心身ともにタフじゃないと、この職場は務まりそうにない。

※女性セブン2014年12月25日・2015年1月1日号

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