3つ目の話題のときは北島三郎が去年で紅白を引退したことを惜しみ、派手な衣装の歌手が出てきたときは小林幸子の不在を残念がりましょう。一年の最後に歳月の移り変わりや諸行無常を感じてシミジミすることで、大人の深みのようなものがにじみ出るはずです。
紅白はいちおう「合戦」なので、勝ち負けを決めます。世の中でもっともどうでもいい勝ち負けのひとつですが、正直に「どうでもいいよ」と言ってしまうのは大人として怠慢。「今年は紅組の勝ちかなあ」「いや白組だよ」と言い合って、予想が当たったの外れたのと一喜一憂することで、家族団らんとは何か、人生とは何かを感じられるでしょう。
大人力を見せつける仕上げは、紅白が終わって「ゆく年くる年」が始まり、新しい年が明けた直後に繰り出す古典的な引っかけ問題。さりげなく「今年の紅白って、どっちが勝ったっけ?」と尋ねます。誰かが「○組だったじゃない」と答えたら、してやったり。「それは去年の紅白で、今年はまだだよ~ん!」とはやし立てましょう。
ウケるウケないは問題はありません。白い目を向けられるのは、むしろ望むところ。2015年も大人として力強く歩んでいかなければという覚悟を固められます。何かの間違いでウケたら、きっといい一年になるでしょう。運試しも兼ねて、ぜひ繰り出してみてください。