芸能

「終活」開始の橋田壽賀子 死後葬式不要、新聞に載せないで

 未年(ひつじどし)は、激動の年となることが多い。1991年にはバブルがはじけ、ソ連が崩壊、湾岸戦争が勃発した。2003年にはイラク戦争、香港のSARS禍が発生した。今年も劇的な出来事が起きるかもしれない。そんな年初にあたって、「これだけは言っておかなければ気がすまない!」というのが脚本家の橋田壽賀子さんだ。現在89才の橋田さんが、「終活」について語る。

 * * *
 昨年の夏、ピン子(泉ピン子、67才)が訪ねて来て、「ママは来年、90才になるんだから、今のうちに身のまわりを整理したほうがいいわよ」と言うので、「終活」を始めました。

 お手伝いさんの協力を得て取りかかったのですが、これが大変。まず、段ボール10箱分ほどの写真や手紙類を処分して、蔵書のほとんどを地元の図書館に寄贈しました。

 もらったものを含めて、ハンドバッグがなんと120個も出てきたのには笑ってしまいました。洋服はこれからも着る物だけを残して、他はリサイクルショップに引き取ってもらいました。

 家を片付けていて思ったことは、高齢者は、物の少ないすっきりとした家で暮らすほうがお洒落に見える、ということ。そして急に最期が来たとき、親戚や友人から「お家がきれいに片づいていたわね」と言われたい。それは誰もが願うことではないでしょうか。

 26年前に主人が逝き、子供のいない私は天涯孤独の身となりました。老後は誰も頼りにできない…。その覚悟から、ひたすら仕事をしてひとりきりの老後に備えるしかありませんでした。その上で弁護士さんに後見人を立ててもらいました。ボケたり、病気になったりしたとき、最低限の面倒をみてもらえるようにしたんです。

 90才を目前にして、このあいだ、「終活ノート」にこう認めました。《私が死んだら、お葬式はいりません。新聞にも載せないでください》と。知らぬ間に消えてしまいたい、これが偽らざる思いなのです。

 ところが、この気持ちとちょっと矛盾しますが、お墓だけは新たに建てることにしました。やはり、両親が眠る場所に一緒にいてあげたい、という気持ちが強くなってきたのです。菩提寺が愛媛県の今治にあるので、そこに入ることにいたしました。

 そんな私がひとり暮らしになって、自分自身に約束したことは、本当につきあいたい人とだけつきあうということでした。もし、あなたがいやいやつきあっている人がいるとすれば、どこかで見返りを期待しているのではありませんか。

「あんなによくしてあげたのに、何もしてくれない…」

 それは相手への恨み節です。だから人を恨まない、そして頼らない。それが老後を気楽に生きるコツだと思います。もう一つ大切なのは、「ひとり」を楽しむための何かを見つけることです。

 例えば、カルチャーセンターではさまざまな教室が開かれています。各市町村の自治体では、写真などの趣味を同じくする同好会がたくさんあります。

※女性セブン2015年1月22日号

トピックス

谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン