その後、慌てて就職活動を開始。しかし、試験を受けても書類選考で落とされてばかり。そこで、派遣会社に登録した。ようやく就くことができたのは、時給800円のビルの清掃員の仕事だった。がむしゃらにトイレ掃除に励む太蔵氏にある日、同じビルで働くグレン・ウッドという外資系証券会社の重役が声をかける。

「君は将来、必ず出世する。うちの会社の試験を受けなさい」

 それから数週間後、太蔵氏はその証券会社で働くことになったのだ。

「清掃員時代は、クーラーがガンガンに効いているなかで、汗だくなって働きましたよ。大学中退して就職活動はまったくうまくいかなかったわけですから、トイレの便器をピカピカに磨く目標ができただけで本当にやりがいがあったんです。目の前のことを一生懸命やらない人に次のチャンスはないというのは、ぼくのモットーです」

 と太蔵センセー。このモットーも、けっこう名言かも。ちなみに、証券会社在職中、グレン・ウッド氏から「郵政民営化の動向を調べろ」と命じられ、自民党のホームページで衆議院議員選挙の候補者を公募していることを知り、ファックスで論文を応募。5回の面接と3回の論文試験を突破し、その約1か月後には選挙に当選していたのだからすごい。その直後、「行ってみたいですね、料亭に!」などと失言してしまうのだが…。 

【意外な!?プレゼン力】

 番組で太蔵氏が見せたのはプレゼン力だ。ときおり大きなボディーアクションをまじえ、抑揚をつけながら軽快なテンポでトークを展開。”女に注意”するため銀座や六本木を地図から消していた、美女のハニートラップにかかりそうになった、などのしくじりエピソードを語りながら、最後にはオチをつける話しぶりには「戦車のような勢いのある話術」という声がネット上で出たほど。実は議員時代から「演説がうまい」という評価があったのだ。

 再び太蔵センセーが語ってくれた。

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