ライフ

世界の成人式 バンジージャンプの起源と言われる恐怖体験も

 日本ではすっかり「暴れる」のが定着した成人式だが、世界には命を賭けた儀式も少なくない。これからの成人式どうあるべきか。大人力コラムニストの石原壮一郎氏が考えた。

 * * *
 今年の新成人は、およそ126万人。人口のちょうど1%ぐらいです。きっと今年も、全国各地から一部の新成人による狼藉が伝えられるでしょう。「近ごろの若いものは……」と眉をひそめて安っぽい満足感を得るのではなく、それはさておき広くあたたかい心でエールを贈るのが、大人の貫録であり余裕ってヤツです。

 今の日本では20歳が大人の入口ですが、40歳になっても50歳になっても、理想の大人への旅が終わるわけではありません。新成人のお手本となるべく、さらに「成長した大人」を目指してみましょう。大人になるノウハウを探るために、世界の「成人の儀式」を調べてみました。そのエッセンスを見習うことで、きっと大人力がアップするはずです。

 有名なのは、バヌアツ共和国の「ナゴール」という儀式。高さ30メートルの塔から足首に木のツルを巻きつけて飛び降りるというもので、バンジージャンプの起源と言われています。メキシコのベラクルス州でも、高さ30メートルの塔にのぼって、逆さにつるされたまま大きく回される儀式があるとか。久しぶりに遊園地の絶叫マシーンに乗って恐怖を味わった上で現実に戻れば、大人として何かを乗り越えた気分になれそうです。ま、うっかり童心に返ってしまう可能性もありますが。

 マサイ族の若者は、14,5歳になると生きたヤギを抱えてひとりでサバンナに出かけ、それを餌にライオンを仕留めると、成人として認められるそうです。日本には野生のライオンはいないので、いつもより多めの現金を懐に忍ばせて、サバンナの一種といえる都会の繁華街に繰り出しましょう。ライオンならぬプロの美女を仕留めることができたら、大人としての自信がつくこと間違いなし。あるいは、見積書を鞄に入れ、得意先というサバンナに乗り込んで契約を仕留める「ビジネス・バージョン」に挑んでみるのも一興です。

 日本でもかつて長崎県の一部には、首を絞めて一時気絶させるという青年の儀式がありました。ただ、これはよい大人はけっして真似しないでください。その代わりに、今やっている仕事に関して、上司や取引先に「もっと、こういうこともしたらどうでしょう」と新たな提案をどんどんぶつけるのがいいかも。結果的に自分で自分の首を絞めるという展開に持ち込めば、大人としてもビジネスマンとしても成長できるはずです。

 古くから日本で行なわれている成人の儀式といえば、髪を結ったり冠をつけたりする「元服」。江戸時代ごろになると貴族以外は簡略化されて、前髪を切り落とすぐらいになったとか。理容店に行って「前髪、短めに」とリクエストすることで、ひそかに元服気分をかみ締めましょう。周囲に「とっちゃん坊やみたい」と笑われたとしても、大丈夫です。「無礼者!」と一喝すれば、武士気分を味わえて元服効果がアップするに違いありません。

 大人への道のりは険しいですが、ピンとくるプランがあったら、ぜひお試しください。

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン