国際情報

中国軍香港駐留部隊トップ 党籍剥奪の軍元No.2不正に荷担か

「重大な党規律違反」ですでに中国共産党の党籍を剥奪された元中国人民解放軍ナンバー2の徐才厚・元中央軍事委員会副主席の事件に絡んで、現役の中国人民解放軍の香港駐留部隊トップがマネーロンダリングに関わり、軍内で事情聴取を受けたことが分かった。駐留軍トップが汚職に関わっていたことがはっきりすれば、香港内で再び対中批判が高まりそうだ。

 米国に拠点を置く中国情報専門の華字ニュースサイト「博訊( ボシュン)」によると、この将校は岳世キン・中将で、2013年7月、徐氏の親戚の21歳の女性がマネーロンダリング容疑で香港警察に逮捕された際、身元を引き受けて釈放させ、大陸内部に帰したというもの。

 この女性は「趙丹娜」と名乗り、香港の複数の銀行に8つの口座を作り、総額で100億香港ドル(約1300億円)を振り込み資金洗浄しようとしたという。これが香港の金融当局の捜査の網にかかり、趙は身柄を拘束されたが、どこからか3000万香港ドル(約4億円)の保釈金が支払われ、釈放された後、行方をくらませたという。

 香港メディアは「保釈金は徐才厚氏と親しい軍関係者が払っており、この金が徐の腐敗事件と関係があるとの見方が急浮上してきた」と報じており、この際、身柄を引き受けたのが岳氏だったというわけだ。

 徐氏の罪状について、新華社電は中央軍事規律検査委の取り調べ内容として「職務を利用して、他の人々の昇進を助けるために、(徐が)直接あるいは家人を通じて賄賂を受け取った。他人の陰謀のために、自身の職権を使い、家人が資金を受け取っていた。これは厳重な党の規律違反であり、収賄という犯罪に当たる。その事情は甚だ不道徳であり、影響は劣悪である」と厳しく糾弾しており、北京の中国筋は「徐の収賄額は新中国成立以来、最大だ」と指摘している。

 香港の外交筋は「香港の駐留部隊トップは軍の出世コースだが、このような事件にかかっていたことが分かれば、失脚どころか、党籍剥奪で監獄行きだけに、岳氏は貧乏くじを引いたといえる。すでに、中央軍事委規律検査委員会が内偵捜査を進めており、摘発はもはやは時間の問題だ」と指摘する。

関連キーワード

トピックス

雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン