刑事責任を問われるとすれば、どのような罪状になる可能性があるのか。
 
「ユニットリーダーになる前からSTAP現象の発現があり得ないと知りつつ虚偽の実験結果を記載・説明して研究費・人件費などの申請を行なったとすれば、刑法246条の詐欺罪に、ユニットリーダーになった後でSTAP現象発現はあり得ないと知ったとすれば、刑法253条の業務上横領罪に問われる可能性がある。
 
 また、独立行政法人の職員である理研の研究者は『みなし公務員』として、公務員同様の刑法の罰則が適用される。そのため、『虚偽公文書作成罪』に問われる可能性もある。
 
 ただしこれらはすべて故意の立証が必要です。研究者の不正において故意か過失かを立証することは非常に難しいが、成立すれば法定刑は懲役10年以下の懲役となります」
 
 小保方氏は、一貫して「混入はない」と否定している。であれば堂々と取り調べでも法廷の場でもその主張を展開すればいい。現段階で「小保方氏はクロだ」と断じる証拠があるわけではない。しかし、国民を欺いたというだけでなく、国民の財産を浪費したことを考えれば、理研、小保方氏双方が問題解決のために真摯な対応をすべきことは論をまたない。“体調不良だから”“もう反省してるんだから”では済まされない。

※週刊ポスト2015年1月30日号

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