PIZZAとサイケ調文字で大書きされた店は、中に入ると1970年代の小さなスナック風。「開業は昭和54年。変人奇人と評判の石川哲雄(66才)がやってる」とご本人。
彼の作るナポリタンは、食事にも飲んだ後のしめにも最高と評判だ。
「材料はスーパーで売っているものだし、秘伝もコツもないよ」と言いながら、市販の7分ゆでスパゲティは、「湯の対流がいい」と、ボウルでゆでる。
「6分たった頃、隣のガス台でバターをのせたフライパンを温めて、玉ねぎとピーマンを少し炒めるんだ。俺は焦げたベーコンが好きじゃないんで、ちょっと遅れて炒めてる。コーンとマッシュルームも遅くていい」(石川さん)
一般的にはオリーブオイルで炒めるが、「俺、嫌いなんだ」。このあたりが、おいしさのコツなのかも。
7分ゆでたスパゲティを直接そのフライパンに取り、具と混ぜ合わせる。
「湯切りはしないよ。ゆで湯が適度に入って、味がよくなるんだ」(石川さん)
すぐに粗びきこしょうとケチャップを絡ませて上がり。
「かき混ぜる前に火は消してるよ。火を通し過ぎると、歯ごたえが悪くなるんだ。このコーンの黄色。色目がいいだろ。そう、料理って色使いも大事なんだよな。赤、黄、緑、いいナポリタンだろ」(石川さん)
【DATA】
『アッシャゴ』
住所:東京都豊島区西巣鴨3-18-4 営業時間:18:00~26:00 定休日:月曜 ナポリタンは600円
※女性セブン2015年1 月29日号