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高須院長 かつての中東での危機振り返る「撃たれてたかも」

中東での危機一髪を回想する高須院長

 高須クリニックの高須克弥院長が、世の中のさまざまな話題に提言していくシリーズ企画「かっちゃんに訊け!!」。今回は、「イスラム国」についてお話を聞きました。

 * * *
──拘束されていた2人の日本人を殺害したイスラム国ですが、リビアではイスラム国系グループがオプト教徒のエジプト人21人を殺害。イスラム国のテロ行為がどんどんエスカレートしています。

高須:実は、ヨルダンのアンマンに国境なき医師団の再建外科専門病院が新しく建ったんだよ。中東の紛争地域でけがをした人向けに、整形外科、形成外科の再建手術が受けられる病院でね。ぼくも寄付をさせてもらっていて、近いうちに視察に行こうと思ってるんだけど、イスラム国の動きを見ると、ちょっと危険だよね。

──ヨルダンはイスラム国の支配下にはないですが、隣接してますからね。

高須:向こうの人にも、位置情報がバレちゃうかもしれないから、もし視察にくるときは、ツイッターとかフェイスブックは更新しないでねって念を押された。もちろん、いつ視察に行くかということも秘密にしなきゃなんない。一応、西原(理恵子)も誘ったけど、行かないって言ってたね。たしかに危ないからな。

──不謹慎な話ですが、身代金目当ての誘拐であれば、高須院長は格好のターゲットになりかねないですよね…。

高須:カモがネギを背負ってくる、みたいなね(笑い)。まあでも、もしも拘束されたら、自分で腹を斬って驚かせてやるよ。腹膜に達さないように腹直筋だけを斬れば死なないしね。こっちは医者なんだから、ちゃんと死なないように切腹できるよ。

──いやでも、その前にまず拘束されないようにしないと…。

高須:そうだね。でも、ぼくは結構危機一髪な目に遭うことが多いんだよ。昭和47年かな、イスラエルで整形外科学会があって、それに行く予定だったの。ところが、日本を発つ直前に、テルアビブのロッド空港で岡本公三(後の日本赤軍メンバー)たちが乱射事件を起こしたんだよ。それで、日本から学会に行く予定だった先生たちはみんなキャンセルしたんだけど、ぼくと女房だけは予定通り行ったら、まあ物々しい雰囲気でね。

──24人が殺された無差別テロでしたからね。

高須:ロッド空港に降り立ったら、少年兵たちがウージー(短機関銃)持って警備してるわけだよ。それで、ぼくたち日本人を見つけたら「こいつらは怪しい」っていう顔をして、ちょっとニヤニヤしながら見てくる。もしも、ぼくたちが何かちょっとでも変な動きをしたら、すぐに撃たれてたかもしれないね。空港もまだ割れたガラスが散乱していて、血も飛び散っている状態で、本当にテロ直後っていう感じだった。

──すごい経験ですね。

高須:イスラエルの街を歩いていても、テロリストと同じ日本人だっていうことで、敵意を剥き出しにされてね。ツバをかけられたこともあった。でも、国としては日本から国際学会にきてくれているわけだから、手厚い歓迎をしてくれたけどね。

──以前、エジプトで気球が落下した事故が起きたときも、実は高須院長も乗る予定だったという話をなさってましたよね。

高須:そうなんだよ。ホントに九死に一生を得るっていうことが多すぎる。ブルガリアに行ったときも、帰ってくるのと行き違いでソ連軍の戦車が入ってきたんだよね。何か危険な目に遭いそうになるけど、ギリギリで回避するっていう妙な運を持ってるのかもな。

──いずれにしろ、アンマンにある国境なき医師団の病院を視察する際は、本当に気をつけてくださいね。

高須:まだいつ行くかわからないけど、今の情勢だとちょっと延期しちゃうかもしれないかな。もしも行くときは、ひっそりと行くから、そっとしておいてね。

 * * *
 何度か危険な目に遭いそうになっている高須院長。アンマンの国境なき医師団の病院を視察予定だというが、テロに巻き込まれないように、セキュリティーは万全でお願いしたいものです。

【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。

 昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『バカにつける薬 ドクター高須の抱腹絶倒・健康術』(新潮OH!文庫)、『私、美人化計画』(祥伝社)、『シミ・しわ・たるみを自分で直す本』(KKベストセラーズ)、『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)など。最新刊は『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)。

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