男性不妊の専門医は日本にわずか50人弱しかいない状況だという。外来の際には、専門医が診てくれるクリニックを受診するべきだという。夫婦一緒に受診することも大事だ。

 気になる費用は、薬の処方や検査などで1~2か月に2~3万円、年間20~30万円ほど。無精子症の場合、精巣から精子をとるMD-TESE手術は50万円ほどだという。

「時間かけるほどに費用もかさみますから、集中的にやるべき。勝負は1年だと思います。とにかく早く始めることです」

 最後に、岡田氏が挙げてくれた日常の注意点は以下のとおり。エビデンスこそはっきりしないが、ふだん何気なくやっていることが実は「精子力」を下げていることもあるという。

●喫煙
「煙草は生殖にも悪影響を及ぼします。血流が悪くなり、EDの原因ともなる。運動性のいい精子が減り、精子のDNAが壊れることによって子供ができにくくなるし、流産率も上がるといわれています」

●禁欲
「禁欲しても質の悪い精子が増えるだけ。作られてから射精せず古くなってくると、精子のDNAが切れてしまいます。禁欲すると精子の数が増えるというのは大きな誤解。頻繁にセックスで出し続けたほうが、新しいものに入れ替わり妊娠しやすいといわれています」

●ぴったりした下着
「睾丸(精巣)は熱に弱く、温度が上がると精子形成機能が低下します。精巣の機能を保つには35度が理想的。熱がこもらないよう、ぴったりした下着やタイトなパンツで圧迫しない方がいいでしょう」

●サウナ、長風呂
「やはり股間を高熱にさらして造精機能を悪化させないためにも、高温のサウナや長風呂はほどほどにするのがいいと思います」

●膝上でのPC操作
「熱を発するパソコンを膝の上に置いて使うと、その熱が股間へ伝わり精子に大打撃を与えます。実際に陰嚢の温度上昇につながるという研究データもあります」

●スポーツタイプの自転車
「前傾姿勢になるスポーツタイプに長時間、ないし頻繁に乗ると、サドルが股間の血流を悪くするばかりか血管を損傷、前立腺の炎症を招いたり、ED、精子の減少、運動率の低下にもつながります。ハードな自転車乗りは避けた方がいいと思います」

●育毛剤
「AGA(男性型脱毛症)の治療薬は、男性ホルモンの働きを抑えて不妊の原因になることがわかっています。精子が作られにくくなり、EDが起きることも。子供がほしいならホルモン作用のある育毛剤はやめた方がいいです」

 妊活は女性任せではなく協力体制での取り組みが大事だ。鈴木おさむ氏の意気込みを見習って、男性側も積極的に“妊活”に取り組みたい。

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