ビジネス

日本人の肉食化は急速に進行中 穀類魚介類を抜き圧倒的伸び

肉を食べる日本人が増えた

 日本人の草食系男子は嘘だった!? 日本人は総務省が発表した2014年の家計調査で、日本人の食についての新しい傾向がわかった。日本人の食卓が変わりつつある。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

 * * *
 先日、総務省が発表した2014年の家計調査の結果に、日本人の食傾向の変化を明確に捉える大きな変化があった。家計調査(総世帯)で初めて「肉類」が「穀類」「魚介類」を超えたのだ。いまや「日本の食」の主役は完全に「肉」に移行したと言っていい。以下にこの数年の家計調査の「穀類」「魚介類」「肉類」の支出金額を挙げて比較する。

2011年 穀類6万5432円 魚介類6万4441円 肉類6万0392円
2012年 穀類6万5707円 魚介類6万3620円 肉類5万9192円
2013年 穀類6万4477円 魚介類6万4282円 肉類6万2156円
2014年 穀類6万3156円 魚介類6万4782円 肉類6万6498円

 並べてみると明らかである。穀類は漸減し、魚類は横ばい。肉類のみが明らかに伸びている。参考までに2004年の数字はこうだ。

2004年 穀類7万2265円 魚介類7万7280円 肉類5万8250円

 この10年で穀類への支出は13%減、魚介類は16%減。対して肉は14%増。2014年の数字で穀類、魚介類を上回っただけでなく、増加傾向、減少傾向を見てもこの10年で肉類は生活のなかで重要なポジションを占めるようになった。とりわけこの数年「肉ブーム」と言われていた外食はともかく、家計調査ではそれほど伸びていなかったのが、最新の調査で4342円、パーセンテージにして7%増と一気に伸びたのは、「肉食」がハレの外食から「家メシ」に持ち込まれたことを意味する。

 さらに細かく2013年と2014年の内訳を比較してみると、肉はもはや「ブーム」を超えた「食文化」に定着しつつあることがわかる。

2013年 牛肉1万5547円 豚肉1万9302円 鶏肉1万198円 合いびき肉1440円 他の生鮮肉1748円 加工肉1万3921円
2014年 牛肉1万6440円 豚肉2万1028円 鶏肉1万1093円 合いびき1659円 他の生鮮肉1771円 加工肉1万4507円

 驚いたことに、すべての数字が前年を上回っている。通常、家計調査の年ごとの傾向を見ていると今回の「肉類」のようにジャンル自体が伸びていても、内訳にはマイナス成長となっている項目が必ずある。だが今回の「肉類」の躍進は、すべての肉がそれぞれ前年超えを達成した。それも「ハレの肉」の代名詞である牛肉よりも豚肉や鶏肉、合いびき肉のほうが伸び率が高い。ハム、ソーセージ、ベーコンのような加工肉に関しても、それぞれが前年を上回っており、家庭の食卓への「肉」の強靱な定着度を伺わせる。

トピックス

6年ぶりに須崎御用邸を訪問された天皇ご一家(2025年8月、静岡県・下田市。撮影/JMPA)
天皇皇后両陛下と愛子さま、爽やかコーデの23年 6年ぶりの須崎御用邸はブルー&ホワイトの装い ご静養先の駅でのお姿から愛子さまのご成長をたどる 
女性セブン
「最高の総理」ランキング1位に選ばれた吉田茂氏(時事通信フォト)
《戦後80年》政治家・官僚・評論家が選ぶ「最高の総理」「最低の総理」ランキング 圧倒的に評価が高かったのは吉田茂氏、2位は田中角栄氏
週刊ポスト
コンサートでは歌唱当時の衣装、振り付けを再現
南野陽子デビュー40周年記念ツアー初日に密着 当時の衣装と振り付けを再現「初めて曲を聞いた当時の思い出を重ねながら見ていただけると嬉しいです」
週刊ポスト
”薬物密輸”の疑いで逮捕された君島かれん容疑者(本人SNSより)
《28歳ギャルダンサーに“ケタミン密輸”疑い》SNSフォロワー10万人超えの君島かれん容疑者が逮捕 吐露していた“過去の過ち”「ガンジャで捕まりたかったな…」
NEWSポストセブン
公選法違反の疑いで刑事告訴され、書類送検された斎藤知事(左:時事通信フォト)と折田楓氏(右:本人SNS)
“公選法違反疑惑”「メルチュ」折田楓氏の名前が行政SNS事業から消えていた  広島市の担当者が明かした“入札のウラ側”《過去には5年連続コンペ落札》
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
反論を続ける中居正広氏に“体調不良説” 関係者が「確認事項などで連絡してもなかなか反応が得られない」と明かす
週刊ポスト
スーパー「ライフ」製品が回収の騒動に発展(左は「ライフ」ホームページより、みぎはSNSより)
《全店舗で販売中止》「カビだらけで絶句…」スーパー「ライフ」自社ブランドのレトルトご飯「開封動画」が物議、本社が回答「念のため当該商品の販売を中止し、撤去いたしました」
NEWSポストセブン
「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手
「全てを話せば当然、有罪となっていたでしょう」不起訴になった大物地面師が55億円詐欺「積水ハウス事件」の裏側を告白 浮かび上がった“本当の黒幕”の存在
週刊ポスト
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《大谷翔平が“帰宅報告”投稿》真美子さん「娘のベビーカーを押して夫の試合観戦」…愛娘を抱いて夫婦を見守る「絶対的な味方」の存在
NEWSポストセブン
“地中海の楽園”マルタで公務員がコカインを使用していたことが発覚した(右の写真はサンプルです)
公務員のコカイン動画が大炎上…ワーホリ解禁の“地中海の楽園”マルタで蔓延する「ドラッグ地獄」の実態「ハードドラッグも規制がゆるい」
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さん、撮り下ろしグラビアに挑戦「撮られることにも慣れてきたような気がします」、今後は執筆業に注力「この夏は色んなことを体験して、これから書く文章にも活かしたいです」
週刊ポスト
強制送還のためニノイ・アキノ国際空港に移送された渡辺優樹、小島智信両容疑者を乗せて飛行機の下に向かう車両(2023年撮影、時事通信フォト)
【ルフィの一味は実は反目し合っていた】広域強盗事件の裁判で明かされた「本当の関係」 日本の実行役に報酬を支払わなかったとのエピソードも
NEWSポストセブン