国内

読売や朝日 産経に後れるなと首相にすり寄り監視機能形骸化

 安倍晋三首相とメディアの強力な結びつきの代表が、民主党・玉木雄一郎議員の「同じ社長の8社から280万円献金」追及の先兵役を演じた産経新聞をはじめとするフジサンケイグループだろう。

 産経新聞は2009年10月1日、「九州・山口特別版」を創刊し、それまで宅配していなかった九州と山口県に本格進出した。九州経済連合会(九経連)関係者が振り返る。

「当時、地元財界として産経の進出に協力することになった。九経連加盟社で当面2000部を目標に産経を取ろうという話だった。その時、安倍さんは九州・山口版の創刊を支援していた」

 同年10月1月の「九州・山口特別版 新創刊に寄せて」と題する産経新聞の紙面には、福岡県知事や九経連会長らとともに安倍氏がメッセージを寄せ、〈国の主権にかかわる問題に関して堂々たる論陣を張る内容に、私も共鳴し、愛読しています〉と讃辞を送った。

 昨年7月には、安倍首相は同社主催の「長州『正論』懇話会」での講演のために地元入り。地元とはいえ、特定の社の講演会に時の首相が登壇するという破格の待遇を示した。

 フジテレビへの肩入れもある。視聴率低迷に苦しむフジは本社がある港区・お台場でのカジノ構想実現に力を入れてきたが、アベノミクスでカジノを推進しているのが安倍首相だ。ここでも、フジの経営戦略上の利益と安倍政権の政策が一致している。

 ちなみに、フジテレビは昨年、安倍首相の甥(安倍氏の実弟、岸信夫・代議士の息子)を入社させるなど、安倍氏の血脈をしっかり取り込んでいる。

 いまや読売、朝日など大メディアはこぞって“産経に後れをとるな”とばかりに安倍首相に擦り寄り、権力監視機能は形骸化、それをいいことに検察も政権に甘くなる。国会でも野党は大きく議席を減らし、権力をチェックするのは週刊誌と一部のネットメディアくらいになった。

※週刊ポスト2015年3月13日号

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