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就活OB訪問 なぜ資料に赤ペンをひき付箋貼るのが有効なのか

 いよいよ就職活動のシーズンが始まった。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏は「まずはOB・OG訪問が大切」と説く。具体的に何を聞けばいいのか、指南する。

 * * *
 ついに2016年度の就活がスタートしました。3月1日に就職ナビサイトがオープンし、合同企業説明会も始まりました。

 私もアイデム社が運営する逆求人型サイトJOBRASSのイベント、大学生協が主催する東海エリアでの合同企業説明会に参加し、講演をしましたよ。どちらも学生が多数参加しており、大盛況でした。ようやく学生全体が動き出した感があります。

 今日は、就活でやっておきたいOB・OG訪問(社会人訪問)のコツを伝授します。毎年言っていることではありますが、納得の行く就活ができるかどうかのポイントは、OB・OG訪問にどれだけ力を入れるかどうかだと思っています。

 OB・OG訪問は社会人とのコミュニケーションに慣れることができる、マナーを学ぶことができる、業界・企業に関する生の情報を得ることができる、内定に至るためのヒントを得ることができる、社会人として活躍するイメージをつかむことができる、モチベーションが上がるなど、良いことだらけです。

 これだけ良いことずくめなのにも関わらず、実施する学生はだいたい4割弱くらいです。しかも、実施率はほぼ偏差値に比例します。OB・OGが出身校に誇りを持っているかどうか、就活関連で動き出す時期が上位校の方が早いことなどが関係していると考えられます。

 OB・OG訪問では、いかにここでしか聞けない話を引き出せるかどうかがポイントです。私がオススメする方法は、その企業の採用情報(リクナビ・マイナビなど就職ナビに載っているもの、各社のホームページの採用情報コーナー)をプリントアウトしたもの、入社案内、その企業に関連する資料などを持ち込むことです。しかも、それらは疑問点に赤ペンをひいたり、付箋を貼ったりしておきましょう。フェイクではなく、本当にやるんですよ。

 なぜ、これが有効か?これを持ち込んで、「就職ナビではこのように書かれていたんですが、実際はどうなのでしょうか」などと質問すると本音が引き出しやすいのです。かなりのぶっちゃけ話ですが、そもそも営業や企画など現場の社員は、人事部を始めとする管理部門が嫌いです。

「あいつらは現場をわかっているのか」「俺達が稼いでいるのに」などと思われているものです。中でも採用担当に対しては「会社を美化して伝えやがって……」「人事が採用する、最近の若者は使えない」なんていう風に思っているわけです。

 そして、学生が「盛った」エントリーシートを書くように、この手の採用広報物も「盛って」いるものなのですよね。苦戦しているグローバル展開、なかなか上手くいかない新規事業、安倍政権の「女性活用」の流れにのって作ったばかりの人事制度などを、さも、すごいことのように描いているわけです。いかにもイノベーターとして入社案内に載っている人は、実は会社で浮いているということも。

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