VEI(火山爆発指数)とは噴火の規模を示す国際的な指標で、噴火活動による噴出物の量によって0~8までレベル分けされ、数字が大きいほど噴出量が多いことを示す。VEI2だった御嶽山の噴火は東日本大震災に連動したものとしては小さすぎるというのだ。過去の6地震では、VEI3~5の噴火が起きている。
仮に御嶽山を震災後噴火の一つと数えても、まだ数が足りない。過去6地震では4年以内に2~5つの火山が噴火しているからだ。
「今、最も心配されているのが、火山噴火です。太平洋プレートが北米プレートの下に潜り込むと、地下深部でプレートが原料になってマグマが作られ、大きな火山噴火を引き起こす。東日本大震災によって太平洋プレートと北米プレートのくっついていた部分が剥がれたため、1年間に30~40センチも動くようになった。それだけマグマが溜まりやすくなっていて、北海道、東北、関東など東日本の火山は軒並み噴火準備段階に入っている」(前出・高橋氏)
しかも、日本の火山のマグマは「粘性が高く、いったん噴火すると被害が大きくなる」(前出・島村氏)という特徴がある。
2010年のチリ中部地震では、地震から丸5年たった今年3月1日にビジャリカ山が噴火したばかりだ。東日本大震災から4年が過ぎたからといって、決して安心はできないのである。
※週刊ポスト2015年3月20日号