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除染手当ピンハネ疑惑大手ゼネコン 環境省に架空請求疑惑も

 福島第一原発北側に位置する浪江町の2013年度除染作業で「除染手当」がピンハネされている疑惑が浮上した。

 安藤ハザマを中心とするJV(ジョイントベンチャー)が環境省から約49億円で受注し、安藤ハザマから1次下請けのO社(東京都)が受注、さらに2次下請けとして海渡建設(横浜市)が入った。実際に現場で除染にあたったのは、海渡建設が集めた作業員である。同社の清藤寛之・代表が告発する。

「除染作業は昨年4月に終了しましたが、我が社に支払われるはずの除染手当を現段階でも受け取っていません。現場作業員には我が社が立て替える形で総額762万5000円の除染手当を支払いましたが、我が社はその分を受け取っていないので、倒産寸前の状況に陥っている」

  除染手当は正式には「特殊勤務手当」と呼び、環境省が発注する除染特別地域(福島第一原発から20キロ圏内を中心とする区域)で除染にあたる作業員に支払われる。簡単にいえば、被曝の危険に晒されながらの作業に対する特別な上積み報酬である。その額は1人1日あたり1万円(一部区域では6600円)となっており、環境省は「労賃とは別に、作業員本人に支払われなければならない」と定めている。

 安藤ハザマは除染手当を含めて環境省に請求しているが、いずれかの段階でピンハネされ、2次下請けには支払われていないという証言だ。

 清藤代表の証言によれば、2014年6月16日、安藤ハザマの東北支店で交渉した際、同社の担当者は「300万円の追加支払い」を打診してきたという。

「O社の担当者も現場にいましたがO社との話し合いはまとまらず、安藤ハザマの担当者が『300万円ならなんとかなる』というので、(除染手当の)未払い分の一部にはなると思ってその場では了承しました。ところがそこからおかしな方向に進んでいったのです」

 1週間後の6月23日、安藤ハザマの担当者から清藤代表のもとに1通のメールが届いた。総額「300万円」の請求書を作るよう依頼する内容だった。添付ファイルには「見積内訳書」としてすでに見積もり内容が指示されており、翌日までにその通りの内容で請求書を作るよう記されていた。

 実際に作業する海渡建設が見積もりを作成するのではなく、発注側の安藤ハザマが作ったことも不自然だが、その中身はさらにおかしい。

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