ビジネス

電気自動車の高速料金助成制度 先着4万台のガッカリな顛末

高速料金の「補助」で電気自動車の普及に弾みつくか

 環境に優しい「次世代カー」の主役といえば、最近は水素を動力源とした燃料電池車(FCV)に話題をさらわれがちだが、電気自動車(EV)の普及促進も国が後押しするなど地道に行われている。

 そんな中、EVユーザーに“ささやかな朗報”が飛び込んできた。高速道路の利用実態を調査することを目的に、5月から「調査協力費」の名目で通行料金が一部補助されるのだ。

 これは経済産業省が「次世代自動車充電インフラ整備促進事業」の一環として平成26年度補正予算で新規に通した事業である。

 EVやPHEV(プラグインハイブリッド車)に乗っている人に、5~8月まで高速道路1料金区間あたり1000円を超える利用に対して超過分、9~12月までは1000円超過分、2000円を超過した場合は料金額の半額を支給するという。

 現在、EV・PHEVの国内販売台数は累計約11万台(2015年1月末現在)。ガソリン車に比べて航続距離が短いことや、充電インフラの整備が不十分などの理由から、シェアが伸び悩んでいるとの指摘もある。

 だが、経産省としては2030年にEV・PHVの国内乗用車市場に占める割合を20~30%に高める計画(2014年の乗用車販売台数は約470万台)をぶち上げているため、「ドライバー向けの補助金制度を充実させて普及スピードを加速させたい」(全国紙記者)狙いがあるのだ。

 それにしては、この高速料金の助成制度、“ガッカリ感”も否めない。支給される実施期間が12月までと短いことに加え、支給額は1月あたり2万円、全調査期間で6万円という上限付きだからだ。そもそも、利用登録できるのも「先着4万台」と限られている。

 なぜ、このような制度になってしまったのか。

「当初、この計画には8億円の予算を計上して大々的にやる予定だったが、財務省から『高速無料化につながるバラ撒きだ』との批判もあって半分程度の予算しか取れなかった」(前出・記者)のが実態のようだ。

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト