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17連射の高橋名人 バネ仕込んでみたら「早く押せなかった」

かつて「高橋名人」として一世を風靡した高橋利幸氏

 1983年の発売以来全世界で6191万台を出荷したファミコンことファミリーコンピュータ。その全盛期に「16連射」で子供たちを熱狂させた高橋名人こと高橋利幸氏に当時をふり返ってもらった。

 * * *
 初めてステージに上がったのは、1985年春に銀座の松坂屋で開催された「コロコロまんがまつり」で『チャンピオンシップロードランナー』の実演をやった時です。実演が終わったら、「サインくれ」って子供たちが列を作ったんですよ。本当に驚きましたね。

 その後に勤めていたハドソンの社長が「こういうイベントを全国でやったら面白いんじゃないか」と言い出して、夏休みに全国キャラバンが始まりました。私がゲームの実演をすることになったのは、宣伝部が私ひとりしかいなかったからです(笑い)。

「高橋名人」というのは、ステージに上がるなら愛称を付けた方がいいということで決まりました。他には「インストラクター高橋」なんて候補もあったみたいです。

 キャラバンでは朝6時半頃に会場に行ってセッティング。10時半からイベント開始で、終了後は搬出作業の後に晩飯を食べながら反省会。ホテルの部屋に戻るとコントローラーを全部分解して掃除して、深夜に眠るという生活が続きました。忙しかったけど、「体力が持たないから」と飯は経費で食べ放題でした。だから、どんどん太りましたね(笑い)。

 名人になってから気をつけたのは、子供の前でタバコを吸わないこと。あと、打ち合わせを繁華街でする時は写真誌に気をつけて、怪しい看板の店には近づかないようにしたり。本当ですよ。

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