定年後、あるいは定年を控えて老後の収入を得ようとする「シニア起業」に興味が集まっているが、会社(営利法人)設立、個人事業主、一般社団法人やNPO(特定非営利活動)法人などの「非営利組織」と様々な方法がある。「非営利」という名前から勘違いされやすいが、「無報酬のボランティア」ではない。営利と非営利の違いは、事業で得た収益を株主配当のように構成員に分配できるか否かだ。
非営利の場合、余剰収益の分配はできず、今後の事業のために充てなければならない。ただし収益をあげてはいけないわけではないし、役員報酬などの形で収入を得ることもできる。
一般社団法人とは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立された「営利を目的としない活動」をするために“社員”が集まった非営利組織を指す。
現在、社団法人は公益性を認められた「公益社団法人」と、公益性を問わずに事業を行なう「一般社団法人」に分けられている。シニアの起業支援を行なう「銀座セカンドライフ」代表の片桐実央氏はこう語る。
「従来は一括りに社団法人と呼ばれ、公益性重視で規制が多かったのですが、2008年の法改正で生まれた一般社団法人は、公益性の有無にかかわらず設立できるので、最近では人気の高い起業スタイルです。
一般社団法人は営利を目的としない人を集めて会員組織を作りたいケースに向いています。例えば書道を教えている人が一般社団法人を設立して会員組織を作り、講座を開いて一定レベルに到達した人に認定証や検定証を発行するようなビジネスモデルが一般的です」
※週刊ポスト2015年4月3日号