スポーツ

野球賭博 規模縮小されたが今も月に数千万円単位のカネ動く

 開幕間近の某日、『週刊ポスト』編集部はある文書を入手した。そこには12球団それぞれの戦力分析に加え、各球団のローテーション投手を格付けしたデータがびっしりと記載されている。また開幕戦カードとともに、「0.2」や「1.8」などの数字が並ぶ一覧表もある。これは何なのか? その答えは、ある球界関係者からもたらされた。

「これはいわゆる『ハンデ表』です。野球賭博で使用されるハンデを記した資料です。実際に見るのは初めてですね……」

 野球賭博とはその名の通り、野球の試合結果について金銭を賭ける賭博のことだ。完全な違法行為だが、現在でもプロ野球や高校野球を中心にひっそりと行なわれている。

 今年2月には、静岡県で摘発事例が出た。昨年9月下旬から10月下旬にかけプロ野球公式戦の勝敗を予想させ、賭け客2人から1口1万円で計45回にわたり約1300万円の賭博申し込みを受けたとして男女2名が逮捕された。また2010年には、大関・琴光喜や大嶽親方(いずれも当時)らが野球賭博に関与していたことが発覚し、解雇処分などを受ける大騒動に発展した。

 野球賭博は暴力団の有力な資金源だ。広域指定暴力団のフロント企業といわれる会社関係者が語る。

「野球賭博は1960年代に高知の暴力団が始め、関西の暴力団が大きくしたといわれる。今でも関西では盛んだし、地方では最大のシノギ(暴力団用語で“収入源”または“違法経済活動”を指す)にする組も少なくない。かつては数千億市場ともいわれていた」

 本誌は野球賭博の現場をよく知るというX氏と接触した。

「1991年に暴対法が施行されたことや、2010年の角界の騒動で、規模はかなり縮小されたが、今でも月に数千万単位のカネが動いている。この文書はどの胴元が作ったものかわからないが、開幕戦に備えて作ったものに間違いない」(X氏)

※週刊ポスト2015年4月10日号

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン