中国で2010年から2014年までの5年間で、勤務中に死傷した警察官は2万2870人で、そのうち殉職者は2129人、年間平均では426人に上っていることが分かった。また、中国の場合、米国の警官の殉職者よりも多く世界一危険な国といえそうだ。北京市「新京報」が報じた。
中国の警官の死因ナンバー1は病気による突発死で、勤務中に心臓発作や脳卒中、脳梗塞などで死亡するケースが全体にほぼ半数を占めている。連日の勤務で無理をして疲れを溜め、気が付いたときには手遅れというケースだ。
2位は交通事故で全体の26.3%。交通取締り中に、違反車輌を追っているうちに交通事故で犠牲になるケース。3番目が犯罪者の検挙中に、逆に拳銃やナイフなどによる暴力の犠牲になる場合で、全体の5.2%となっている。
勤務体系別では派出所勤務、交通関係、治安関係、捜査関係の順。派出所勤務の警官の殉職者が多いというのは「場所に関係なく、日常的に犯罪が発生していることを示している」と同紙は専門家の見解を紹介している。
年齢別では30歳から49歳までが全体の7割を占め、20代以下と50歳以上がそれぞれ1割程度だ。平均年齢は45.5歳と働き盛りの部類に入る。
負傷者数は5年間で2万741人。内訳は重傷が2643人、軽傷は1万8098人で、年間平均では4148人。
少し古い統計だが、日本では、2003年~2006年の警察官の殉職者数は24人。2014年度の1年間では警官の殉職者は4人。ちなみにアメリカでは2007年の殉職者は186人で、比較する年が違うものの、中国の年間平均426人は圧倒的に多い。
中国ではデモや集会を含む年間20万件の「集団による暴力性事件」が発生しているといわれる。派出所勤務の警官は治安維持活動や犯罪取締りの最前線にいるため、武装警察部隊や軍よりも、日常的に出動する場面が多く、犠牲になる可能性も高いといえ、中国の警官は軍人よりも危険な職業といえそうだ。