スポーツ

BCリーグの選手兼任監督・フランコ 状況に応じて先発も視野

56歳で選手兼任監督を務めるフリオ・フランコ

 グリップを頭上に掲げ、バットの先端を投手に向ける独特なバッティングフォーム──。ロッテの助っ人外国人として野球ファンに鮮烈な記憶を残したあの男が帰ってきた。4月11日に開幕した『ベースボール・チャレンジ・リーグ(BCリーグ)』の石川ミリオンスターズで、今シーズンから監督を務めているのがフリオ・フランコ(56)である。

 BCリーグは北陸・信越・北関東・東北を活動地域とする8球団の独立リーグ。フランコが指揮をとる石川は、これまで優勝4回を数える強豪チームだ。

「日本で監督をするのは、ひとつのチャレンジ。金沢は落ち着いたいい街だと思う。少し寒くて野球をするには完璧な場所ではないが、私が住むニューヨークに比べれば暖かいし、たくさん着込めば大丈夫(笑い)。ぜひ優勝したい」

 そう語るフランコは、メジャーでプレーした23年間で打率2割9分8厘、173本塁打、1194打点の通算記録を残した超一流選手。米国、日本以外にメキシコや韓国でもプレー経験がある。2008年の現役引退後は、2012年にメキシカンリーグで監督を務めたのを皮切りに、指導者の道を歩んできた。昨年5月には米独立リーグで選手兼任コーチに就任し、55歳で6年ぶりとなる現役復帰もはたしている。

 メジャーで史上最年長本塁打(48歳)を放つなど、これまで「史上最年長」を冠する記録の多くを塗り替えてきたフランコ。もちろん、石川でも選手登録されており、11日の開幕戦では9回に代打で出場し、犠牲フライを放っている。

「選手兼任はチームでも自分でもなく、神が決めたことだよ(笑い)。プレーし続けることを神が許してくれるなら、いつまでもプレーし続けたいと思う。どのような形で出場するかは決めていないが、状況に応じて必要な時がきたら出るつもり。先発? その可能性もあると思うよ」

 56歳の飽くなき情熱が、北陸の地に新たな伝説を生むかもしれない。

取材・文■鵜飼克郎
撮影■藤岡雅樹

※週刊ポスト2015年4月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
《実は既婚者》参政党・さや氏、“スカートのサンタ服”で22歳年上の音楽家と開催したコンサートに男性ファン「あれは公開イチャイチャだったのか…」【本名・塩入清香と発表】
NEWSポストセブン
かりゆしウェアのリンクコーデをされる天皇ご一家(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《売れ筋ランキングで1位&2位に》天皇ご一家、那須ご静養でかりゆしウェアのリンクコーデ 雅子さまはテッポウユリ柄の9900円シャツで上品な装いに 
NEWSポストセブン
注目度が上昇中のTBS・山形純菜アナ(インスタグラムより)
《注目度急上昇中》“ミス実践グランプリ”TBS山形純菜アナ、過度なリアクションや“顔芸”はなし、それでも局内外で抜群の評価受ける理由 和田アキ子も“やまがっちゃん”と信頼
NEWSポストセブン
中居、国分の騒動によりテレビ業界も変わりつつある
《独自》「ハラスメント行為を見たことがありますか」大物タレントAの行為をキー局が水面下でアンケート調査…収録現場で「それは違うだろ」と怒声 若手スタッフは「行きたくない」【国分太一騒動の余波】
NEWSポストセブン
定年後はどうする?(写真は番組ホームページより)
「マスメディアの“本音”が集約されているよね」フィフィ氏、玉川徹氏の「SNSのショート動画を見て投票している」発言に“違和感”【参院選を終えて】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
皇室に関する悪質なショート動画が拡散 悠仁さまについての陰謀論、佳子さまのAI生成動画…相次ぐデマ投稿 宮内庁は新たな広報室長を起用し、毅然とした対応へ
女性セブン
スカウトは学校教員の“業務”に(時事通信フォト)
《“勧誘”は“業務”》高校野球の最新潮流「スカウト担当教員」という仕事 授業を受け持ちつつ“逸材”を求めて全国を奔走
週刊ポスト
「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン