ビジネス

四国・東北の社長輩出率が躍進 地方の過疎化の反証との指摘

 本誌は今回、東京商工リサーチから発表された。「2014年 全国社長 出身地・出身校調査」に注目した。これは同社が持つ企業データベース約269万社(2014年12月時点)の代表者データから出身地や出身校を抽出し集計したものだ。

 出身地別データで興味深い結果が出た。各都道府県の人口を考慮し、出身地別の社長数を各都道府県の人口(総務省「人口統計」2013年10月1日時点)で割り「輩出率」を算出したところ、1位となったのは徳島県。以下、山形県、香川県、秋田県、愛媛県と続く。意外にも東北・四国が上位を占め、下位には埼玉県(47位)、千葉県(46位)、神奈川県(45位)と首都圏の県が並んだ。

 何がその差を生んだのか。全国学力テストで7年連続トップの秋田県や、学習塾数の人口比が高い徳島(1位)、香川(3位)、愛媛(4位)は教育県として知られる。山形県は江戸時代から交易で港町が栄え有能な商人を輩出してきた。社長数が多いのにはそうした地域性が指摘されるが、このデータはネガティブな要因も潜んでいる。東京商工リサーチ情報本部の関雅史・課長が分析する。

「1位の徳島県は、企業の開業・廃業数がともに全国平均を大きく下回り、産業の新陳代謝が停滞している。さらに人口も16年連続で減少している。2位の山形も同様で、1985年に126万人だった人口は2015年には112万人にまで減少しました。これらの県では分母が小さくなったことで相対的に社長輩出率が高まっている側面がある」

 四国・東北の社長輩出率の“躍進”は、皮肉にも地方の「過疎化」の反証といえるのだ。

※週刊ポスト2015年5月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン