「スカイマークの再建計画の策定作業については、あくまで民間ベースで進んでいるため、われわれ役所が口を挟む余地はない。しかしなぜインテグラルがあそこまで全日空を敵視するのか不可解だし、心配だ」
しかし全日空サイドは決して交渉のテーブルから離れようとはしなかった。それというのも、「インテグラルとスカイマークは、水面下で日本航空(JAL)と結託しているのではないか」(全日空幹部)と、全日空サイドが疑っていたからだ。全日空にとってJALは最大のライバル。言うなれば“不倶戴天の敵”と位置づけている存在だ。
しかしそのJALは、公的資金が投入され経営再建中の身。そしてそのことでJALは新規の投資が事実上禁じられるなど、その経営には大きな制約が加えられていると言っていい。こうしたこともあってJALは、スカイマークの支援企業に名乗りをあげることを断念した経緯がある。
「確かに今の時点ではJALはスカイマークに手は出せないだろうが、将来的にはわからない。その可能性がある以上、われわれが佐山代表の挑発に乗って今引くわけにはいかない」(全日空幹部)
※SAPIO2015年6月号