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特捜部が不起訴にした小渕優子前経産相 決定的疑惑3つ残る

 小渕優子・前経産相の不起訴処分は明らかにおかしい。関連政治団体をめぐる政治資金問題で、東京地検特捜部は折田謙一郎・元秘書(群馬県中之条町前町長)ら2人を「政治資金規正法違反(虚偽記載)」容疑で在宅起訴として、小渕氏本人は不問に付した。茶番捜査もいいところだ。

 何よりおかしいのは、小渕氏の資金管理団体で1億円近くもの簿外支出があったことが明らかになっているのに使途を捜査しなかったことである。

 収支報告書に記載しないカネは「裏金」だ。地元関係者によれば裏金の主な使い途は「飲食代や贈答品代などの交際費」や「餞別」だった。〈秘書らが地元の有力者と簿外資金で飲食をともにすることもあった〉(読売新聞4月29日付)との報道もある。

 仮に裏金で選挙区の有権者に接待を繰り返していれば「買収=公職選挙法違反」であり、政治家本人の犯罪にもなり得る。

 政治資金問題に詳しい岩井奉信(ともあき)・日本大学法学部教授が解説する。

「小渕氏自身は資金操作を指示していないと主張しているが、それが本当だったとしても1億円の簿外支出で買収が行なわれていれば、連座制で失職する」

 特捜部のシナリオでは、「積み重なった簿外支出によるマイナスを補するため、地元支援者らを招いた明治座での観劇会が(報告書上は)赤字になったように見せかけて帳尻を合わせた」ことになっている。

 それも怪しい。関連政治団体(自民党群馬県ふるさと振興支部)の2012年分の収支報告書には2010年分や2011年分と違って、観劇会関連の記載がない。前出の関係者は「観劇会は毎年実施されていた。2012年は総選挙直前の10月に、明治座140周年記念の『梅沢富美男・中村玉緒特別公演』を観たはず」という。

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