投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が5月18日~5月22日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は、米国の4月の住宅関連指標や景況感指標次第、米国議会での大統領貿易促進権限(TPA)法案の審議次第の展開が予想される。円安要因としては、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や民間機関投資家による外貨建て資産投資増額期待や日米環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の合意期待。
円高要因としては、中東の地政学的リスクの緊迫化、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念、米国連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測の後退などが挙げられる。
【環太平洋経済連携協定(TPP)協議】
米国上院でオバマ米大統領に通商一括交渉権を付与するTPA法案が審議され、可決された場合、下院で審議される。米国議会でTPA法案が可決された場合、TPPの日米2カ間協議が合意間近との期待感が高まることで、ドル高・円安要因となる。
【連邦公開市場委員会(FOMC)議事録】(20日)
4月28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、声明文がややタカ派的だったことで、その根拠を見極めることになる。
・「雇用改善と物価目標達成に合理的確信持てれば利上げ」
・「第1四半期の減速の後、緩やかな成長と雇用の増加」
・「インフレは中期的に2%目標に向け上昇を予想」
【日本銀行金融政策決定会合】(21-22日)
日本銀行金融政策決定会合では、29日に発表される日本の4月のコアインフレ率が消費増税の影響が無くなることでマイナスに落ち込む可能性があることで、予防的に追加緩和策が打ち出される可能性を見極めることになる。
【米国の4月コア消費者物価指数】(22日)
米国の4月のコアインフレ率は、前年比+1.7%と予想されており、3月の+1.8%からの低下が見込まれている。米国の4月の生産者物価指数は前年比+0.8%と低迷しており、消費者物価指数の低迷が確認された場合、6月のFOMCでの早期利上げ観測は後退することになる。
5月18-22日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。