池上さんは、質問を投げかけながら教えていくというやり方。最初は簡単な質問から入って、段々とレベルを上げていき、最終的には全体像がわからせて「そういうことだったのか」と周囲を納得させます。ジャーナリストなので自分の主張もさりげなく入れてきます。そういう意味では選挙特番の池上さんが本当の池上さんかもしれません。「ブラック池上」ともいうべきか、場の空気に関係なく核心をズバッと聞く。そういったところが、政治好きの視聴者にとてもウケている理由です。

 林先生は、塾の講義のように教えてくれます。必要な時には出演者に質問もしますが、基本的には筋道を立ててストーリーとして話を聞かせます。ゆっくりと順序だてて丁寧に話してくれるので、難しいことでもわかりやすい。周りはいつの間にか林先生の話に引き込まれてしまうのです。

 今後のお二人の方向性に関していえば、池上さんはジャーナリストとして、自分の専門の範囲内で、番組を選びながら出てくるでしょう。一方、林先生は、タレントとして活躍の幅を広げてくると思います。教養番組に限らず、朝や昼の情報番組、音楽、スポーツ、それこそ池上さんが得意な選挙特番まで。相手に合わせるのが得意なので、何でもこなせます。最初に言ったように、教養番組の司会ができる人は少ないので、お二人の活躍はまだまだ続くでしょうね。

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