同年7月に戦列復帰した猪木は、7月から10月までの3か月間に、さらに9回、馬場と対戦。ここまでの7回の顔合わせとの大きな違いは、この9試合のうちの4試合が45分3本勝負で争われたことだった。
試合の日時・場所と結果を簡単に列記していく。
7月19日=東京・リキ・スポーツパレスでの30分1本勝負は17分21秒、体固めで馬場の勝ち。7月28日=静岡・三島大社境内での45分3本勝負は2-1で馬場の勝ち。この試合で猪木はドロップキックで馬場をコーナーに激突させ速攻の3カウントを初めて奪った。
8月3日=大阪・岸和田市港広場での45分3本勝負は2-1のスコアで馬場の勝ち。8月9日=東京・足立区立体育館での20分1本勝負は10分26秒、体固めで馬場の勝ち。8月16日=東京・リキ・スポーツパレスでの45分3本勝負は2-0で馬場のストレート勝ち。
9月4日=愛知・刈谷市営球場での45分3本勝負は2-1のスコアで馬場の勝ち。9月23日=秋田・大曲市営競技場での30分1本勝負は14分5秒、体固めで馬場の勝ち。9月28日=福島・福島県営体育館での30分1本勝負は11分55秒、体固めで馬場の勝ち。
最後のシングルマッチとなった10月2日=栃木・足利、月見ヶ丘体育館での20分1本勝負は12分0秒、体固めで馬場の勝ち。対戦成績は馬場の16勝0敗という圧倒的な数字だけが残った。
■斎藤文彦(さいとう ふみひこ)/1962年東京都生まれ。早稲田大学大学院スポーツ科学学術院スポーツ科学研究科修了。コラムニスト、プロレス・ライター。専修大学などで非常勤講師を務める。『みんなのプロレス』『ボーイズはボーイズ-とっておきのプロレスリング・コラム』など著作多数。
※週刊ポスト2015年6月12日号