ビジネス

マッサン人気で好調のウイスキー でもメーカーは浮かぬ顔も

「ポットスチル」という蒸溜釜

 NHK朝ドラ『マッサン』の影響でヒートアップしているウイスキーブーム。それは蒸溜所の見学ツアー人気にもつながっているという。

 中でも、「サントリー山崎蒸溜所」の予約は3か月先までぎっしり。昨年は年間12万7千人が押しかけ、外国人は約1割を占める。いったいこの施設の何がここまで人を惹きつけるのだろうか。作家の山下柚実氏が現場を訪ねた。

 * * *
 サントリー山崎蒸溜所は京都の南西、天王山の麓にある。とは言っても、京都駅からJRで15分というアクセスの良さ。緑輝く山裾の敷地に一歩踏み入ると、芳しい香りが漂ってきた。

「フル生産中なので特によく薫るんだと思いますよ」と同社ウイスキー戦略部・佐々木太一氏(43)は言う。そう、ここはウイスキーの父・サントリー創業者の鳥井信治郎が日本で初めてウイスキーを製造した、「原点」だ。でもなぜ、山崎なのか?

「緑が多く良質な水に恵まれています。この水は万葉集に詠われ、近くには利休もお茶を点てたと言われる茶室『待庵』が残っています。さらに湿度が高く霧が発生しやすい環境がある。つまり日本らしいウイスキーが生まれる好条件が揃っています」

 見学ツアーは予約制。仕込み、発酵、蒸溜、貯蔵、テイスティングといった過程を体感できる。

 大きな釜に思わず目を奪われるのが「蒸溜」工程。むうっとしたサウナのような熱さ、甘酸っぱい穀類の匂い。大麦と水を発酵させた液体を、漏斗を逆さにしたような「ポットスチル」という巨大な釜で熱し蒸溜している最中だ。無色透明の液体が泉のように噴出してくる。

 これぞ生まれたての酒、「ニューポット」。樽に詰めて熟成させればウイスキーになる。というプロセスを説明看板や模型展示で理解するのとは違い、今まさに生産現場にいる、という臨場感。

「ポットスチルの形や大きさによって、風味や飲み口の重さ軽さが変化します。いろいろな形状の釜が並ぶこと自体が、世界的に珍しいのです」

関連記事

トピックス

永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン