ネットを中心に広まりつつある「オタサーの姫」という言葉。これは、男性の割合が多い文科系サークルの中にいる数少ない女性メンバーのことを指す。女性の数が少ないがゆえに、たとえ容姿に恵まれていなくてもチヤホヤとお姫さま扱いをされることが多いことから“姫”と呼称されるようになった。
もちろん“姫”だけに、男性から見れば厄介な振る舞いも少なくない。学生時代にオタサーの姫に翻弄された経験があるという男性Aさん(25歳)はこう語る。
「僕は学生時代インカレのオタク系サークルに入っていました。大所帯のサークルでしたが、女性は1割か2割くらい。そこで、清楚な“地味カワ系女子”で、ガチゲーマー、趣味はコスプレという女子が入ってきて、一躍男子たちの人気者になったんです。
一度、『彼氏がストーカーになったから相談したい』と誘われて食事に行ったら、悩み相談という体裁でサークル内部でのモテ自慢を始めました。しまいには、帰り際に手をつながれて、『付き合ってくれない?』と言われたんです。あまりに怖かったので手を振りほどいて断ったら、その後サークル内で僕の悪口を広めて回っていました」(Aさん)
これだけ聞くと、モテ自慢をしているのはAさんのようにも思えてしまうが、彼にとっては姫の行動は心底迷惑だったようだ。では、別の男性に話を聞いてみよう。都内の私立大学に通う男性Bさん(22歳)曰く、サークル全体がオタサーの姫に翻弄された経験があるという。
「僕が入っていた軽音サークルにいた女子が完全にオタサーの姫でした。全部で20人ほどいるサークルには彼女を入れて3人しか女子がおらず、彼女が一番可愛かったこともありサークルのマドンナ的存在に。ただ、ずっとマドンナでいてくれれば良かったのですが、自分を好いてくれる男に気を持たせ、片っ端らからパシリのように使うようになって、いつしか『姫』と化しました。
その後、彼女以外の2人の女子の彼氏を奪うなど、サークル全体が翻弄されました。オタサーの姫が必ずしもサークラ(サークルクラッシャー=サークルを破壊する存在)になるとは限りませんが、僕が見た限りは、まずオタサーの姫化した後に、みんなからチヤホヤされ続けたいという欲望が、結果としてサークルを破壊してしまったように思います」(Bさん)
男性ばかりのサークルでは、数少ない女性はどうしても注目を浴びるもの。それが一歩間違えると「オタサーの姫」などと揶揄され、男性陣から思わぬ批判を浴びることもあるようだ。