ビジネス

日テレは視聴率三冠でも危機感「ニュースでの出遅れが多い」

夏ドラマ好調の日テレ

 夏ドラマがスタートし『花咲舞が黙ってない』や『ど根性ガエル』など話題作がそろった日本テレビが一人勝ち状態だ。週間視聴率三冠王も続いており、恒例となった社員食堂の無料開放も毎週、続いている。ところが、「数字がよいのは自力ではなく敵失。内容では他局に負けていると思うことがたびたびある」と番組制作スタッフが漏らす。

「『情報ライブ ミヤネ屋』のウラで放送中の『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)は、視聴率が1.1%になったとか、ネガティブな話題ばかりが目立ちます。でも、放送内容をみていると、正直言って負けたなあと思うことが多い。選ぶテーマも面白いし、よく取材しているなあと感心する。視聴習慣と、司会の宮根誠司さんへ期待する視聴者の気持ちのおかげで今は勝てているだけ。夕方ニュースも含めて、もっと頑張らないと」

 視聴者は、長く見慣れたチャンネルのままテレビ番組を見続ける傾向がある。たとえば、日曜日の夕方から夜にかけての日本テレビは『ザ!鉄腕!DASH!!』の後、『世界の果てまでイッテQ!』、『行列のできる法律相談所』、『おしゃれイズム』と長年、愛されている番組が続く。特別編成で異なる番組になっても、習慣で見る人が多い時間帯としてよく知られている。

 一方で、いったんネガティブな印象がつくと視聴者を振り向かせるのは困難だ。今春の改変期に安藤優子キャスターがワイドショーに初進出と話題を集めた『直撃LIVE グッディ!』の放送枠はフジテレビにとって鬼門の放送枠。『知りたがり!』(2010年4月~2013年3月)がふるわず『アゲるテレビ』(2013年4月~9月)に衣替えしたものの不調で、半年間はドラマの再放送枠にしていた。さらに最近のフジテレビの全体的なイメージダウンも視聴者離れを促している。

 敵失とはいえ、結果として好調ならばもっと喜んでもよさそうなものだが、日本テレビ関係者は警戒を解けないという。

「情報バラエティやドラマなど、華やかな部門が目立つと忘れられがちですが、やはり取材して構成する力が落ちるとすべての番組に影響するものなんです。報道番組でなくてもコンプライアンスに対する意識は欠かせないのですが、取材する力が弱体化すると、自然とそちらも弱くなる。貴重な情報提供を見逃して取材が他局に出遅れるケースが最近、日本テレビではいくつか続いていて、ちょっと問題になっているんですよ」(制作会社所属のディレクター)

 取材が出遅れたとはいえ放送時にはわからない程度に毎度、挽回して間に合わせているそうだ。早めの危機意識が、今年も視聴率三冠王確実と言われる好調さの秘密のようだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン