国内

亀井静香氏 首相に「このままでは戦争大好きな人間扱いだ」

 国民の反対を押し切って法改正を推し進める安倍首相。自民党内は“首相に倣え”と静まりかえるが、同党出身の長老議員は黙っていない。衆議院議員・亀井静香さん(78才)は、こう話す。

「今の日本は戦後最大の危機を迎えている。日本は戦後、一貫して戦争しない国と決めてやってきた。それはこの国の国是。これまでも米国から戦闘参加の要請があってもNOと言えたのは、憲法9条があったからだ。晋三はそれを自ら捨てた。

 日本には米軍基地がある。沖縄の辺野古に新基地を建設しているし、東京の横田基地はそのままだ。東京上空はいまだ米軍の管制下にあり、空の自由まで奪われている。そうまでしているのに、さらに安保法制を通して米国に尽くさなければいけない同盟関係はおかしいでしょう」

 法案の審議をすればするほど反対派が増える。そこで安倍政権は強行採決に踏み切ったが、亀井さんはその手法も批判する。

「晋三は平和国家日本のあり方を180度変えようとしているが、国民に判断を問うことさえもしない。先日も本人がテレビ出演して紙の模型を使って説明していたが、政治家が自分の言葉で説明できないことをやってはダメです。晋三はもともと“美しい日本”をつくりたい人。それはつまり、平和な日本です。でも3年ほど前から尖閣諸島や北朝鮮問題が勃発し、“右バネ”が利き始めた。党全体、日本全体がそういう雰囲気のなか、首相になった晋三はそっちにいかざるをえなくなっている部分もある。

 ぼくは、『このままじゃ戦争大好き人間というレッテルを貼られるぞ』と、彼に言ってきたけれど、彼は『そんなことありません』と言うだけだ。だいたい戦争の“後方支援”なんてできるわけがない。相手にとっては前方だろうが後方だろうが攻撃をしかけてきたら報復してくる。自衛隊員の命が失われ、戦死者が納められた棺がどんどん日本に届くことになるだろう。そのことをちっともわかっていない」

 政権に強く反対を表明できない自民党内や野党にも不満を抱くが、世論の大きな反対の声が少しずつ事態を変えるのではないかと期待する。

「自民党議員はみな自分のポストのことしか考えていないし、野党はお行儀がよすぎる。そんななか、デモが大きくなることでマスコミはそれを報じざるを得ない。晋三は聞こえないふりをしているけど、粘り強く声を上げ続ければ最後は世論が勝つ。特に女性は肌感覚で危険を察知できる。古代ギリシャでは女性が戦争を防いだという戯曲がある。この問題にもっと関心を持って、団結して反対の意見を表明するなど、女性の感性をもっと主張していってほしいね」

※女性セブン2015年8月13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト