投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が8月10日~8月14日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円はもみあいか。米連邦公開市場委員会(FOMC)の中立派メンバーの講演や米7月小売売上高などの経済指標が手掛かり材料となりそうだ。米経済指標の改善が確認された場合、9月利上げ期待はさらに高まり、ドル・円は125円台で取引される可能性がある。ただし、主要な経済指標が市場予想を大きく下回った場合、9月利上げの思惑は後退し、リスク選好的なドル買いは縮小する見込み。
【アトランタ連銀ロックハート総裁の講演】(10日)
10日にFOMCの中立派とみられる米アトランタ地区連銀のロックハート総裁が講演する。同氏は5日、米紙とのインタビューで、9月の利上げを先延ばしするためには米経済が大幅に悪化する必要があると述べており、9月利上げ期待が一気に高まった。さらに踏み込んだ発言があれば、ドル買いが強まる可能性がある。
【米経済指標】(13日、14日)
米9月利上げへの期待が高まるなか、米経済指標が利上げを後押しできるか注目される。今週は7月小売売上高(13日)、7月鉱工業生産指数(14日)が発表される。5日に発表されたADP雇用統計は予想を下振れたが、7月ISM非製造業景況指数(総合)が10年ぶりの高水準となったことを受け、9月利上げ観測は後退しなかった。7月小売売上高などの経済指標が予想を上回ればドル買いに反応しやすい。
8月10日-14日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。