居酒屋へ行って酔いにまかせ上司や同僚の悪口を言ったり、勤務中にサボって喫茶店やパチンコ屋で時間をつぶしたりするとろくなことにならないが、今やそんな拘束からは解放されている。誰の悪口を大声で言おうが一日中居酒屋や喫茶店やパチンコ屋に居続けようが大丈夫である。

 いやな場所へは老齢を理由に行かなくてすむし、耳が聞こえないふりをすればいやな話や不利益になることを気にせずにすむ。わざとよろめいて若い女性に抱きついていってもたいていは許してもらえるのだからこたえられない。これらすべては老人の特典なのである。

 こうしたことを小生、実行したりこれからしようと思ったりしているのだが、これについて罪悪感を抱いたことがないのは不思議なことである。それは罪悪感を抱いてしまえばそれがまたストレスになるからなのであろう。せっかく何ごとからも自由になった筈の老年になってから、それがまた命を縮める原因にもなるストレスを抱いてなんの老年であろうか。

 小生、命を縮める原因の最大のものはストレスであると思っている。だから酒を飲みたいだけ飲み煙草を喫いたいだけ喫っている。これらが命を縮める最大の原因ではないからである。小生現在健康そのものであるし、ヨーロッパでは現在百十何歳かになるお婆さんが百五歳になるまで喫煙していたという記事があった。(続く)

※週刊ポスト2015年8月21・28日号

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